第2話 現実

 週始め、辛い辛い月曜日。☔も激しく降っている。これは憂鬱だ。


【おはよう。はると!!!】


【りな…部長、おはようございます】


【だからさ、お客いない時や、会社内でなければ、りなって呼んでよ。それにどうしたの?元気無いね。せっかく車で一緒にと思ったけど】


【車!社用車乗ってきたの?】


【これでも部長だからね。会社よらずに先方周りをしようと。はると、運転任せていい?】


【もちろん、雨だからラッキー!】


【いつものはると、だ。よし!】


救われたよ。☔ってほんと服選びに困るね。


 みさも出張から帰ってきて、代休。有休も余ってるからくっつけて今週休みって言っていたな。


 ユキさん達の喫茶店に行くのを週末にでも誘ってみよう!


………………………運転中………………………


【はると、週末どこ行っていたの?】


【ユキさん達の喫茶店…ちょっとアクシデント合ってね、看病されちゃった】


【大丈夫?運転変わろうか?】


【大丈夫だよ。昨日はしっかり寝たから。あのさ、りな、今後のことだけと】


【なに?】


【半年先に、さきさんのホテルに内定決まっている話だけどね、それも含めてさ、やはり秘書は俺には不向きだし、誰か他の人でどうかな?】


【そっか…しゃあないね。確かに技術肌だもんね、みさとも離れてるから、はると、ごめんね】


【俺の勝手でむしろ、ごめん】


【じゃ今週中に他の人に変えてもらうから、みさの部署に戻って。それにしても、あと半年で、さきさんのホテルで働くの?】


【さきさんの状況によるけどね、向こうでもさきさんの秘書みたいなことやるかも】


【ふーん、私の秘書は無理でも、さきさんのはいいんだ。ふーん、さきさんねー、綺麗でスタイル抜群。ふーん…】


【な、なんたよ、その変な言い方…】


【べーつに、はると、秘書っていうか、経営勤まるの?】


【勉強しないとね、いろいろと】


りなは、何か気になってるようで、


【それ、進捗は?さきさんって研究所の所長でしょ?両立なんて出来るの?】


………………ちょっと、イラッ!………………


【………別に、どうなるか解らないけど】


【はると、怒ってる?ごめんね…】


【いや、別に怒ってないよ】


 もうこの仕事にやりがい持てないんだよ。向いてないことはよーく解った。


 何か変な空気になっちゃった…とにかく仕事こなそう。


【はると、今夜早めにあがってさ、みさと食事行かない?三人で。美味しいお店見つけたんだ!】


【何か気を使ってくれて、ありがとうね】


………………………夕方………………………


【はると、お腹すいたねー】


【みさ、何か大人っぽく、何で!】


【おっ、気がついたらね。取引先の人から貰ったんだ。おすすめの化粧品セット!】


みさも、活躍してるんだなー。


【二人揃ってるね。じゃ、行こう。タクシー着いてるから】


タクシーに乗り込み、お店へ。


【落ち着いてル雰囲気だねー、ゆっくり話せそう】


りな、何か話あるのかな?


三人でたくさん食べて、デザートと☕タイム。


【みさ、はるとから聞いてる?】


【何を?】


【さきさんのいるところへ就職】


【詳しくは解らないけど。ざっとは…】


何か嫌だな…この話。りなは、


【はるとは、後悔しないの?】


【………】


【ん?何か怒ってる?】


【うるさいよ、りな!】


みさもびっくりして、


【はると、始めて見た、怒ったところ】


りさも。慌てて、


【はると、ごめんね、私は…】


【もう、いいって!ほっといてくれよ】


 うるさいんだよ。先に帰るぞ。お金これで足りるかな?


【待って、はると】


みさ、ごめん。りなと話をしたくない…


みさは追いかけてきて、


【りなも悪気があったわけではなくて、ただ、はるとに向いてるかな?と心配になって】


みさも、そんな風に思ってたの?


そもそも向いてるとか、やる前に解ること?


自分の選んだ道で後悔するなら問題なし!


【みさ、ごめん、帰るね】


【はると…】


りなも走ってきたけど…ごめん、話したくない…


………………………電車………………………


明日会うの気まずいなー。この路線って…


ユキさん達の喫茶店、今から行こうかな?


…………………ユキ達の喫茶店………………


【ユキさん、るいさん、こんばんは!】


るいさん、びっくりして、


【はると!平日じゃん。来てくれたの?】


【快速だと一時間くらいなんだね】


ユキさんの姿が見えないな。


【ユキさんは?】


るいさん、急に怒って?😡どうした?


【ユキ目当てか…あいつ年下にほんと人気だよな、私のほうが可愛いと思うけどさ…】


るいさん、何ぶつくさ言ってんだ?


るいさんが、


【はると、見て!あいつ。来るなって言ったのに…】


ん?オープンテラスか?


【お姉さんー、お話しようよー】


【すみません、仕事中なので】


【じゃあさ、終わったら。ねっ、遅くてもいいからさ。ここで】


【店の片付けもありますので】


くそ、ユキさんに絡んてるな。待ってろ!


【おい、ユキさんから離れろ!】


【誰だよ、オメー!】


ユキさんの肩を抱き寄せて…


【俺の彼女だよ。二度と来るな!】


【ちっ、男いたのか…先に言えよ!】


帰ったか…


【はるとくん、ありがとう】


【大丈夫?変なことされてない?】


【うん…はるとくんが助けてくれたから】


【ちょっとビビっちゃった…ダサいね。俺】


【そんなことないよ。カッコ良かった!】


嬉しい…ユキさんに言われると。


【あのね、はるとくん…言いづらいんたけど】


【何?何でも言って】


【肩を…ちょっと強くて、痛いから…】


あっ、ごめんなさい。抱き寄せてしまって。


【ごめんなさい、それにタメ口ですみません】


【いいの、そんなことは。嬉しかったよ】


ユキさん、嬉しいのは俺の方です。


※お姉さん、オーダー…いいでしょうか?※


【あっ、はい、すぐに】


ユキさん、仕事モードに切り替え!


※お兄さん、ちょっと…※


なんだ、なんだ?オーダーか?


【はい、ご注文でしょうか?】


※お姉さん喜んでいたね!見ていてスーとしたよ※


【あ、ありがとうございます】


【はると〜!】


るいさんに呼ばれて、


【何ですか?】


【夕飯、食べていって。終電に帰れればいいでしょ?作ったから、どうぞ】


ピラフ、スープ、サラダ、るいさん、ありがとう。


夕飯食べて来てるけど、全部たいらげます!


美味い、るいさんもいいお嫁さんなれるね。


 何だよ、るいさん、何か言いたげな表情で、気になるな〜


【あーあ、平日は暇だな〜。はると達のラブラブもっと見たかったな〜】


【な、何、急に、なんてこと言うんですか!ユキさんを助けただけで、ユキさんも俺なんて眼中にないので、変なこと言わないでくださいよ。もう】


【あのユキの表情、少なくてもはるとのこと弟程度とは思ってないね。うん、解る解る!】


 変なこと言うなよ、るいさん。意識しちゃうよ。俺にはみさが、ちょっと最近いろいろあって上手くいってるとは言えないけどさ。


ユキさんが、戻ってきて、


【なーに、二人で楽しそうに。何の話?】


るいさん、ニヤリ、


【べーつに、ユキ助けた、はるとかっこいいって!そんなしょぼい話】


【しょぼくないって。本当にカッコ良かった。はると、男を感じたよ。はると?どうしたの?】


【すみません…ちょっとトイレ】


 ヤバい、凄く緊張した。るいさんがいけないんだぞ、変なこと言うからさ。


 ユキさん、横に座って改めて解ったけど、やっぱ安心する匂いするな〜













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