第20話

「よし! 早速魂兵のレベルを2に上げます!!」

「そうですね!!」

俺は

魂兵強化 New  Lv2  : 500

をタップする。


【対象を選択してください】


「選択? どうやって?」

俺が魂兵の方をみると、ピカピカと光出す。

「これで選択できたってこと?」


台座の文字が光っている。

俺は光っている【魂兵強化】をタップする。


「ホ!!」


魂兵は、木製の剣で、中央のカカシを叩き始める。


「えっと、さっきと特に変わったようには見えないな……」

「ですね」


俺は台座を確認する。

「あ……」


【魂兵強化中 04:59:57】


「どうやら時間がかかるみたいですね」

「なるほど。そうなんですね」

5時間か。

カカシが一体しかないってことは、同時に魂兵2体のレベルアップは無理ってことだよな。


今日は就寝まで無理か。

明日の朝になればもう一体強化できるだろう。


「あ、そうだ。フェリスさん」

「はい。なんでしょう?」


「魔法について教えてください」

「はい!なんなりと!!」

フェリスさんは元気よく答えてくれる。


「ヘンサッチが使っていた魔法です」

「炎魔法ですね」

炎魔法か。

そのまんまだな。


「あれほどの威力の魔法が使える人間て、滅多にいないんですよね?」

「はい。私も多少の魔法は使えますが、あれほどの威力はありません」

だろうな。

高威力の魔法が使える人間がゴロゴロいるなら、そもそもあんなに兵士は必要ないはずだ。


「てことは、魔法使いは貴重な戦力なんですか?」

「だと思います。特に、大規模な戦争の場合、魔法使いで勝敗が決まると言われています」


「なるほど。魔法を防ぐ手立てはあるんですか?」

「はい。手っ取り早く対策するなら、魔法耐性のある防具を装備することです。

 非常に高価なものばかりですが、魔法の威力を軽減してくれます」


「なるほど、装備か。そのうち鍛冶場で作成可能になれば良いが……」

「あとは、肉体の魔法耐性ですね」


「魔法耐性ですか?」

「はい。耐性のある者ならば、高威力の魔法であってもほとんど効きません」

高威力でも効かないってすげぇな。


「耐性はどうやって上げるんです?」

「魔法の修行です。強力な魔法を使える魔法使い、魔導士に魔法はほとんど効きません」


「てことは、魔法を使えるようにならないと魔法の対策ができないってことか……」

「そうなります」


「魔法を使うにはどうすればいいんですか?」

「はい。私たちエルフは生まれつきある程度の魔力を持っています。

 しかし、人間は全く使えない人の方が多いみたいですね」


「俺は今使うことができないんですが、基本的に生まれたときに決まっちゃうってことです?」

「そうですね。魔力の総量は使えば上がるのですが、それも個人差があります。

 そもそも魔法が使えない人間なら、魔力を上げることすらできません」


「なるほど……魔法対策はかなり厳しいな……今後の鍛冶場に期待するしかないか」

「勇者様でしたら、きっと使えるようになると思います!!」

フェリスさんは一点の曇りもない眼差しでこちらを見つめてくる。


だから!!

それ!!

ムラムラするっつーの!!


魂兵の作成だ!!

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