第18話 次の町へ

◇ ◇ ◇ ◇


 これ以上無いと言えるほどに少女の体は外も中も悪意に染められていた。

 体中には病気かと思えるほどに内出血の跡、跡、跡。この少女は自分のモノだと言わんばかりに闇が刻みつけたのだ。


 目はすでに朧気で焦点が合っておらず、意識があるのかすら分からない。

 しかし闇は止まらない、ここで壊しても構わない使い捨ての道具を最後まで楽しむために。


 意識がないはずの玩具は口元へつけられると無意識に咥え浄化する。

 しかしその行為がさらに闇を深く暗くするとは知らずに。


 そして遂に穢れを排出するためだけに存在する在処へと闇は侵入した。


 意識は数瞬覚醒するが動く事すら叶わず壊れた玩具の姿に戻る。

 闇が全てを悪意で染め上げ満足するまで終わらぬ儀式。

 刻み込む、刻み込む、刻み込む、刻み込む、刻み込む。

 二度と忘れる事叶わぬほどに。


 他の男に抱かれた時に必ず闇を思い出してしまうように、ただただ悪意を刻み込んでいった。


◇ ◇ ◇ ◇


 朝昼と抱き潰し、エリーと依頼人の三人で夕食を取る。

 明日の日の出とともに出発だそうだ。それと次の町までDランクパーティが一つ付いてくるらしい。

 そちらとはすでに打ち合わせも終わっているそうで、僕たちは明日初顔合わせになる。


 夕食を終え、部屋に戻りながらエリーへと話しかける。


「はい、今日の分だ。この後も続けるけどどうする?」

「おお、ありがとう。そうだな、では一応頼んでおく」

「了解。じゃあまた明日、おやすみ」

「ああおやすみ」


 部屋に戻るとベッドの上で未だに気を失っているミラちゃんがいた。

 穴という穴から白いモノを覗かせている姿を見ると呆れてしまうな。


 ちょっと僕絶倫過ぎないか? 他の男がどうなのか知らないけど、多分ここまで出来ないだろうな。

 これもレベルが関係するんだろうか? まあ考えても仕方ないか、気持ちがいい事には変わらないしね。


 しかし思った通り後ろの穴に入れる事が出来たな。普通はもう少し時間をかけて使えるようにすると聞いたが、デバフで筋肉を弛緩させたら狭くても問題なく使えた。

 使った後は洗って菌にデバフをかけ弱らせたので病気になる事もないだろう。


 さてと、まだ時間もあるしハメ倒すか。そのうち目も覚めるだろ。


 まだ未熟な子供と言えるがすでにジョブを授けられた少女。しかしその年齢に見合わぬ豊かな胸。このアンバランス感がなんとも言えない情欲を誘ういい体だ。


 ただ息を漏らすだけの人形に欲望を全て吐き出して僕は眠る事にした。

 明日は早いので起きるのを待ってはいられないからね。


 朝起きても死んだように眠りについているミラちゃんを見てどうしようかと思う。呼吸はしてるけど大丈夫かコレ。


 取り敢えずシャワーを浴びるか。

 シャワーを浴び終わっても起きてこないので書き置きとお金を置いていく。

 このお金は指導料としてもらう金額と同額だ。


 短期間だがかなり性処理をさせたからというのもあるが、エリーと話して依頼をちゃんとこなせば初めから渡す事にしていたからだ。

 ミラちゃんはちゃんと言われた事をマジメにこなして盗人を捕らえる事までしたので渡すには十分な働きだったと言えるだろう。


 それと念の為にもう一日分部屋を延長しておこう。勿論部屋に入らないように注文を加えてだ。

 見ようによっては輪姦された後だからね。


 朝食をとり僕とエリーは依頼主とともに馬車に乗り込み、短期間ではあるが一緒に依頼をこなす冒険者たちと合流するのだった。


■ □ ■ □ ■


 ミラside


 目覚めると最近嗅ぎ慣れた匂いに包まれる。

 ホープさんが出してくれる白いモノの匂いだ。


 身体が上手く動かせない。多分私は意識を失ってしまったのだろう。

 折角私のワガママで一日中一緒にいてもらったのに、これじゃホープさんに申し訳ないな。


 少しだけ身体が動かせるようになったので起き上がると体中に斑点模様が出来ていた。これはホープさんが私を自分だけのモノだと言いながら沢山つけてくれたものだ。

 冷静に見ると結構大変な見た目になってしまっているけど、コレを見ると本当に私はホープさんのモノなんだと実感出来てニヤけてしまう。


 そして少しだけ違和感を覚える。なんだかお尻が少し変な感じだ。

 気になって触ると中から液体が流れ出てきていた。


 え、もしかして今漏らしたの? いやそんな事ないはず。

 

 そう思い触った手を見ると白いモノが付いていた。


 もしかしてお尻で? ごめんなさいホープさん、私記憶に無いです。

 でもこんな所にもホープさんが私に刻みつけてくれたんだと思うと嬉しいです。


 しかしここで気付く。ホープさんがいない事に。

 そしてテーブルの上に書き置きとお金が置いてある事に気付いた。


 ホープさんたちが指導料として貰うはずだったお金って、優しすぎますよ。

 それに沢山の感謝と褒めてくれる内容につい笑顔になってしまい、そのまま続きを読んでいく。


 え、僕のことは忘れろってそんな、こんなにも私の身体に、いや、心にホープさんを刻み込まれたのに忘れるなんて出来ないです。

 私のために言ってくれているのは分かってるけどきっと忘れる事は出来ない。

 だって私は危険日と言われるもっとも妊娠しやすい日にこんなに沢山の愛を注いでもらった。そして何故か子を授かったと言う確信が持てている。

 ホープさんとの子がいる限り私はホープさんを忘れない。だから私は一生忘れませんよ。


 私を助けてくれ、愛を教えてくれ、幸せを教えてくれた人。

 もしかしたらもう二度と会う事は出来ないかも知れないけれど、ずっと貴方を想い続けます。

 どうかホープさんの行く先に幸せがあらんことを。


 私は涙を流しながら祈るのだった。



 ――知らない事は幸せで、時に残酷にもなる。

 彼女は一生ホープを忘れる事はないだろう。

 だがそれは子を授かるからではない。

 身体は無意識のうちにホープに躾けられてしまっていた。他の男では生涯満足出来ない身体へと。

 その事実を知ったとき理解する。

 自身から将来の幸福すべてを持っていかれてしまっていた事に……。


■ □ ■ □ ■

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