story3 魅了



「では、これでわたしは失礼させていただきます!」

「とても楽しい時間をあ、ありがとうございますメイリー様❣」

「みんなー‼美貌のメイリー様がお通りだよ~‼」

みんな声をあげる中、"ふふっ。ありがとう"とメイリーは満面の笑みを浮かべる。

「それと。くれぐれも彼女らに関わんな」

「「...!?」」

「…いでね~!((ニコニコニコ」

「「は、あああああい‼」」

ああああああああぶッ‼

さっき7つ子に関わんな...って言ってたよね!?

脅しですかメイリーさん!?警察呼びましょか!?


バターンッ‼


いつもより大きな音で扉が閉まった。

「ひィィいいいいっ‼メイリー様が不機嫌だよ‼」

「どうしよどうしよどうしよどうしよ」

「もう7つ子に関わるのはやめた方が......」




「わたしたちが、どうしたって?」

急に太陽の声がした。



「「!?」」


「なんかフインキやばくない?テンション低すぎ?」

炎が戸惑ったような顔をする。

「相談事なら受けますよ...?」

それから彗が優しく問いかける。

「......み、ぃなさんってかかか感じがしません...」

壌は不安になっている。

「わたしには......7つ子に関わらるのはやめた方が....って聞こえたけど」

月が少し権幕な表情をして正直なことを言ったとき。

「え……」


あ。


やばいやばい声出しちゃった‼

もう今雰囲気やばいのに‼

重大な時こそ運が悪い自分を今にでも蹴とばしたかった。

そう暴行的なことを思っていると、周りの視線がわたしに……ん?

みんなが向いている方向は少しわたしとずれており、丁度真隣に向いていた。

そう。さっきの声はわたしではなく、

となりの可愛い系女子"あゆ"の声だった。

「…何か言いたいことがあるの?」

太陽が問いかける。

あゆはそれを否定しようと首を横に振る……直前、太陽がボソリ、と何かをつぶやいた。

すると彼女は約束が頭から抜けたように...今まであったこと、7つ子に関わるなと言われたこと、メイリーのこと―――――全てをしゃべりだした。

「______が、」



「ふーん...そうだったんだ」

太陽の声と同時に、目が覚めたようにあゆの目がピーンとなった。


ザワザワ......


「え.....あ、」

彼女はまだ困惑していた。

たった一瞬の出来事だった。



「......太陽さん」

みんなのざわつきの中、いままで全く喋っていなかった宵が太陽を読んだのを、わたしはこの目でとらえていた。

こそこそ話のようだったが、わたしは一語一句聞き逃さなかった。



魅了エンチャント 使うな"



宵とは思えない低音の声が聞こえた。

流石のわたしでも、鳥肌が立つような声だった。

しかも‼あの宵って方‼

満面の笑みであの声を出したんですよッ‼

こっっっっわすぎ…‼

わたし、素晴らしい共通点に気が付きましたっ‼

"本当に怖い"人ほどよく笑ってる‼(メイリー含む)

でも、さっきの雰囲気からすると、月が一番怖いのかと思ってたけど…。

7つ子の中で一番怖いのは、宵なのかもしれない。

って、ん?

さっきの"エンチャント"って、なに?

あっ!

そういえば今日の朝、勉強したような…?

机からノートを取り出し、朝に開いたページを見る。

はぁぁぁああああああああああっ!?

衝撃な事実に、声が漏れそうになる。

いや、漏れたかも?そんなこと考えられる暇はなかった。

なんせ、そのページに書いてあったのは…


『 Enchanted ‣ 魅了 』


魅了!?太陽さんあなた、魅了できるんですか‼?

あゆが正直にしゃべったのもそのせい!?

…でも科学的...に?考えてそんなのあるわけないよね!

じゃあなんで...?

もしかして、......。


 

  あ な た 厨 二 病 な の ! ?





バターン‼

一回り大きな扉の音がした。

私の叫びは、その音に掻き消される。




「え」

なん、で......。

今日の私の心の中は、いつも以上に忙しい。

叫びだしたり驚いたり。

―――これも…7つ子が来てから。



「あれっ?お約束、じゃなかったっけぇ…っ!」

目の前には、いつもの可愛らしいピンクの瞳はなく、

血のような真っ赤に染まったメイリーがいた。


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スター⋆チルドレン ☁静月夜☾ @Serena_0015

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