ラブコメはここからだ!
第42話 取りあえずお前はバカだ!
体が重い。
それに、なんだか頭も痛いような気がする。
瞼も重かったがいつまでも瞼を下ろしていても埒が明かないため俺は瞼をあけることにした。
「ん?」
目の前に広がったのは見覚えのない白い天井だった。
においを嗅いでみると消毒液のようなにおいが鼻孔を刺した。
(病院?なんで俺が病院なんかに?)
疑問に思った俺は少し記憶を遡ることにした。
確か美波と話しててそれから、、、
「どうなったんだっけ?」
美波と話したことは覚えているが、一体何を話していたのかを思い出すことができなかった。
「とりあえずナースコールするか。」
痛む体を頑張って起こし俺はベッドに座るとナースコールを押した。
それからすぐに看護師さんと医者の先生がやってきて俺に事情説明をしてくれた。
曰く俺が数日眠っていたこと。
曰く深刻な栄養失調で倒れたこと。
曰くストレスがたまりすぎて目から出血をしていたこと。
これらを説明された。
どうやらかなり弱っていたらしい。
一度両親が見舞いに来てくれたらしいが仕事の関係ですぐに帰ってしまったそうだ。
その説明を受けてから数時間が経った頃病室の扉がノックされた。
「どうぞ~」
俺がそういうと控えめに病室の扉が開かれた。
「やっと起きたの?全く心配させないでよね!」
入ってきたのは幼馴染の美波だった。
「ああ、悪かったな。あの後俺はどうなったんだ?」
「蒼が目と鼻から血を出して倒れたから救急車を呼んでそれから蒼は数日寝てたの。お医者さんから聞いてると思うけど重度の栄養失調とストレス性の出血で蒼は倒れたの。もう隠せないよ。何があったのか教えて。」
美波はそう言いながらベッドに近くにあった椅子に腰かけた。
「話さないとだめか?」
できれば俺も話したくはないため一応聞いてみることにする。
「だめに決まってるでしょう!それに、蒼が入院してから月ちゃんずっと不安そうにしてるんだからね。」
「月が?でも、俺はあいつにひどいことを。」
「そこなのよね。なんで蒼が月ちゃんにあんなことを言ったのか理解できないの。別に月ちゃんのことが嫌いになったってわけでもないだろうし、本当に何があったの?」
(やっぱり話さないとだめか。)
諦めて俺は美波に今まであったことを話すことにした。
「まず、今から俺が話すことは誰にも言うなよ?」
「わかった。」
美波はこくりとうなずいた。
「まず、お前は月が学校でハブられてるのを知ってるか?」
「え!?そうだったの?」
「ああ。で、多分その原因が俺にあったんだ。」
「どういうこと?」
意味が分からんといったような微妙な表情を美波はしていた。
そこから俺は神楽とあったことを話した。
美波は途中に口を挟むことなく真剣に俺の話を聞いていた。
「ってことがあったわけだ。これが俺と神楽が付き合うことになったきっかけだ。」
「そんなことがあったわけね。で、蒼は月ちゃんに対する申し訳なさとか自己嫌悪がストレスの原因ってわけ?」
「多分な。」
美波は額を押さえながらため息をついていた。
「蒼って本当にバカだよね。」
呆れたようにジト目で俺を見ながら美波はそういってきた。
なんでいきなりこんなことを言われてるんだ俺は?
俺がそんなことを考えていると病室の扉が勢いよく開かれた。
そこには、月が立っていた。
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