【彼の総て】後半：桐ケ谷 薫の手記

華族の長男である雪彦の元に、専属の使用人として、美しい青年、薫がやってくる。
大人の男の魅力をまとう彼に惹かれつつも素直になれない雪彦だったが、愛した男を自分の都合で死に追いやってしまったという過去の罪を薫に告白したことがきっかけで、薫との距離は急激に縮まっていく。

華族の若き主人と彼に忠誠を誓う使用人。それぞれの視線が一つの物語を語る時、揺るぎないはずだった物語の真実が明らかになり、前編で見えていた景色は後半で一変する。