第19話 彼氏との姫始め

「そのこういうことはお久しぶりなわけですが、ノートの方を取ってきてよろしいですか?」


「ダメです」


「その冷えるので裸はちょっとまずいというか」


「そのためのエアコンでしょ?」

 あそこはもう臨戦体制であった。言い訳も何も無い。


「そのハグからでよろしいですか?」


「大きくなっているくせに?」


「うぐ、でも順番はあるでしょ」


「いいよ。ハグ。出さないでね」

 乱暴に押し倒された。


「ハグじゃないの? もう」

 乱暴なハグにまだ下着姿の私の下着越しに腰は動いている。


「ゴムつけるから待って」

 重くて押しのけるのに苦労した。


「ちゃんと付けないとね。練習したんだよ、口で付けるの」


「具体的にはどういう練習を?」

 少し落ち着いたカズオ君は臨戦体制のまま尋ねて来た。


「ばか。するんでしょ? エッチ」

 口でつけるとベッドに押し付けてあそこに物を突っ込んだ。少し痛かった。今度からはローションいるからなと思うほどの痛さだった。


 数時間前まで小石や固い足元に気をつけてくれた男が私だけにこんなに興奮して腰を押し付けてくる。


 もう少し余裕を持って欲しいけど、これはこれで少し優越感に浸る事が出来る。

 カズオ君の腰が震えたことがわかった。出したのだろう。もうそろそろ落ち着くかなと思ったが、まだついてくる。


「カズオ君、二回戦出来なくなるよ。止めて止めて」

 カズオ君は止めない。バタバタと抵抗するとやっと止めてくれた。


「ごめん、また」


「もう。まだ試したいことあるのに、ゆっくりしてよね。まだ濡れていなかったから痛かったし、痛いのと苦しいのは禁止だよ」

 カズオ君はいっぱい入ったゴムの口を縛った。


「何でそんなに激しいの?」


「そのいつもは邪魔が入ってお預けだから、興奮して、つい」

 確かに日頃、チャンスは無い。

 教室もリスクがあるから出来ない。

 屋上の通用口は椅子と机でいっぱいだ。

 あの高校は死角が無い。

 いつも誰かがいる。

 男女が何かをするのは非常にめんどい。

 大人的には大歓迎な職場で、生徒からしたらアンラッキーな作りだ。

 自ずとそれぞれの家で致すことになるが、それもチャンスが中々無い。


 理解のある親じゃないと致さないのが実情だ。親戚が勢揃いしている中、我が家の二階で致すのはかなり抵抗がある。


 この男は一回出さないと落ち着かない。声はそんなに出ないがホコリが落ちれば簡単に察するだろう。


 カズオ君のお母さんありがとう。本当にありがとう。

 それはそれでかなり恥ずかしい事態なのだが、背に腹はかえられぬ。


「次は向かい合ってしよ?」

 出す回数はそこまで多くないが、一回出せば落ち着くカズオ君にこれは恥ずかしいだろう。

 私も濡れてきたし、カズオ君の準備は出てきた。


「よいしょ、向かい合っていると恥ずかしいね。私が頑張るね」

 カズオ君は赤くなって顔を背けたので、顔を掴んで無理やりこちらを向かせて唇を塞いだ。


「歯は閉じないでね」

 そう呟いて、舌を入れた。ろくに入れてないのにすぐに終わった。早かったな。


「どうだった?」

 二回目だとこちらも慣れてくる。


「やばい、すごい、やばい」


「初めての姫始めは成功だね。え、まだ?」


「そのキスがすごい」


「まだまだ出来るね」


 何回してもお互いの体は熱かった。

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