霜月や 秋は何処へ 赤蜻蛉

霜月しもつきや 秋は何処いずこへ 赤蜻蛉あかとんぼ



 季語は霜月、季節は冬。

 テーマとなる虫は赤トンボ、種としては一応アキアカネ(蜻蛉目トンボ科)を想定。

 霜月は11月のことではあるが、正確には旧暦で、現在でいう12月頃にあたる。だから冬の季語となっている。



 何度も書いたが、皆様もご存知のとおり今年2023年は異常な暑さだった。

 9月いっぱい真夏日が続いたかと思えば、10月に入った途端に急に肌寒くなった。

 子供の頃から季節の変わり目には弱く、特に秋に今日に寒くなった時にはよく風邪をひいていた。

 これを書いていて、小学校低学年の頃、授業中にいきなり嘔吐したことを思い出した。

 秋から冬に変わるだけでも調子が悪くなったのに、いきなり夏から冬に変わられたら、大人になって多少体が丈夫になったとはいえ、やっぱりのどの調子がおかしくなった。


 それはさておき、すっかり秋の期間が短くなってしまったようで、秋の虫が見られる期間さえも短くなった気もする。



 赤とんぼの中でも、アキアカネは十数年前に急に激減して、一部の県ではレッドリスト、すなわち絶滅のおそれのある生物を記録した目録の対象となっているところもある。


 例えば兵庫県では、急減した直後に県版レッドリストの改正が行われ、アキアカネも対象になった。

 その後5年ほどですっかり回復して、特に兵庫県北部では谷間で百匹近く飛ぶようになり、調査報告書の作成時に面倒なことになったりしたが、それはさておき。


 近年また兵庫県版レッドリストが改訂され、アキアカネは対象外となった。

 赤トンボとしては同時にヒメアカネも対象外となり、そのかわりといっては何だが、ノシメトンボとマイコアカネが対象種に加わった。

 確かに、実際にあちこちで採集していると、これらの種の方が少ない印象はある。



 さて、アキアカネについてだが、一時期減少していた頃に、数が減ったのではなく平地で見られる時期が後ろにずれたのではないか、という説があった。


 というわけで、11月後半にアキアカネを探しに行く予定だったのだが……。


 例年のごとく仕事の締切りが集中したのと、家庭の事情によりほとんど身動きが取れないまま師走となってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る