レベル開示

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※若干レベルの設定を、平均的な大人のレベルが1→平均的な大人のレベルが10に変更しました。

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「痛い、痛すぎる」 


 次の日、俺は筋肉痛でのたうち回っていた。

 まあそりゃそうだ、四歳の幼児が狩りして筋肉痛にならないなんてそんなわけないだろうからな。


 そんな俺の隣で、母さん……ティア―シャさんは俺の看病をしていた。


「とりあえず、今日は一日ベッドに居なさいよ……そして、もう二度と危ないことはしないこと」

「うぐぐ……」 


 そう言って叱られてしまう。

 

「せめて、狩りに行くのは六歳から……あとお父さんと一緒に行くこと分かった?」

「うぐぐ……はい……」


 口ではそう言ったが、嘘だ。

 だって、俺は早く強くならなきゃいけないから。


「……本当に分かったのかしら?」


 そう呟いた母さんはため息をつきながら、部屋を出ていった。


 部屋を出ていったのを見た俺は、ゆっくりと体を動かし短剣を手に取る。が、それだけで体中が泣き叫ぶほどに悲鳴を上げた。


「……っ」


 少しだけ体を動かしただけで激痛が走る。

 これは想定外だな……。


 まあ、そりゃ小さな体に無理させたら筋肉痛にもなるか……


「し、しかし……こ、ここまで痛いなんて……いたた……」


 とりあえず今日の所は一回休もう。

 筋トレとか、そう言うのも毎日するより少し休めた方がいいっていうし……


「ただ、そうなると……暇だな、あ、そうだ」


 そう呟き、近くに置いておいたレベル開示の宝珠を手に取った。


「……そう言えば、今のレベルを図ってなかった」


 折角暇なんだし、図ってみるか。

 そう思って手に取ってみた物の、使い方が分からない。


「……けど、これどうやって使うんだろう?」


 そう言って手で転がしていると、宝珠の中で、もやもやとした煙が出た。


「ん? 壊れた?」


 そう思ったが、どうやら違うみたいだ。

 靄は少しすると数字の形になっていく。


「なるほど、ただ触れればいいのか……」


 もう少し時間が経つと、数字がはっきりした。


「えっと、それで今のレベルは……5か」


 レベル5……

 確かグラハムの話だとレベル10で大人一人分の強さになるんだよな……。


 つまり平均的な大人の半分。

 

「これ、どうなんだろ? まあ、普通に考えれば四歳でこれだけのレベルなら十分に高い……のかな?」


 うーん、やっぱり同年代のレベルが割らないからはっきりしたことが分からない。

 でも、とりあえず……ひとつわかってることがある。


 それは、これから俺が戦うことになるであろう兵士は俺よりはるかにつよいということだ。 


「たぶん、兵士はそれ以上に強いだろうから……もっと強くならないと」


 一応予想として、レベル12……いや、15くらい、それ以上かもしれないけど。たぶんそれくらいだと思う。


「とりあえず、レベル15以上を当分の目的にしようかな」


 俺はそう呟くと、宝珠を置いて外を眺めた。


 まあ、とりあえず焦っても仕方ない。

 今は体を休めて……それで、力を………そう言えば、魔法とかも……


「……ぽかぽかだ」


 窓から差し込む日の光に照らされ、眠気が誘われた俺はお昼寝に入ったのだった。

 

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