第7話 初ボス戦

武装した狼男が咆哮を上げたのを合図に初めてのボス戦が始まった。


「陣形は言ってた通りにして!まずは相手の行動を見てみたい」


狼男は手に持っている大剣を振りかざす。


(もしこれで、イッテツが盾ごと斬られたらどうしようかな)


そんなことはないだろうというアオの謎の自信通りにイッテツは敵からの攻撃を受け止めた


(よし!)

「敵が隠してるスキルがあるかもしれないから出来るだけ【守護】は使わないで」

『アオ!アイツの核はお腹の上部分にあるよ!』

(抽象的すぎてどこかわからん。あっ!そういえば!)

「ネイ!頭の中でスキル使ったときの映像イメージして!」

『ん?わかった』


アオが新しく取ったスキル【イメージ共有】によってネイからアオへ。そして、アオからアヤメとセナとイッテツへと狼男の核の位置が共有された。


(さて、攻撃は通るかな)

『アオ!僕の攻撃力あげて!』


そのセナの言葉にアオは完璧に合わせた。結果、狼男の右目を撃ち抜くことに成功した。その後狼男は暴れるがイッテツがヘイトを集め難なく受け止める。


(今の状態だと核にはセナの弓での攻撃しか届かない。頭が高いな......)

「全員潰れた目側の足を攻撃して!跪かせよう!」


アオもスキルでバフを付与しつつ、指示を出し続ける。約30分後、狼男は膝をついた。


(思ったより時間かかったな)

『ラストヒットは貰うね』

『こらー!アヤメ!ずるーい!』


【二段ジャンプ】で距離を詰めるアヤメと狼男の身体をジャンプで飛び移りながら核を狙うネイ。この二人の攻撃タイミングにまたも完璧に合わせたバフだったが、狼男が着ていた鎧が予想以上に硬く、二人の攻撃だけでは核には届かなかった。


『アオ!僕にもバフよろしく』


アオの横には弓を構えニヤついたセナの姿があった。セナの矢は穴の空いた鎧の隙間を通り肉をエグり、そのまま核を砕いた。


『おつかれ皆』

『チッ』


勝ち誇ったような顔を浮かべたセナが言う。それを見て悔しがるアヤメとネイ。そして、全員の待ちに待った狼男の身体が消えてドロップアイテムに変わる瞬間が訪れた。


『なにこれ?』


現れたのは5個の仮面だった。


『ねーねーみんな見て。付けてみた!』

「おいネイ、それもう二度と取れない呪いの仮面だぞ!」

『え!?嘘!』


ネイは焦りながら仮面に手をかける


『取れるじゃん!』

「まぁ、嘘だし」

『アオも初めてみた仮面にそんな呪いがあるとかわかるわけ無いだろ。そんなのに騙されるなよ』


拗ねてるネイを横目に仮面をバックにしまう。


『ねぇ、皆であの仮面付けて戦わない?』

『なんでだよネイ。見づらくなるだけだろ?バカ』

『だってー、カッコイイじゃん。それにあの仮面付けてても全然視界に影響でないよ?』

『そもそもかっこよくないし。付けなくていいよ』

『なんでよー、セナー』


バカ話をしながら五人は現れた下に進む階段を降りる。

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