第28話 魔力量
「"イクシード・ランス"!」
俺がそう唱えると、大量の槍が目の前に突き刺さりまくった。
「はぁ...まだ精度が甘いな....」
よく見ると、上手く刺さっていなかったり、そもそも到達せずに地面に落ちているものもあった。
数秒後、大量の槍はその姿を消した。まぁ、消えたと言ったほうが正しいか。
「イメージは十分。多分、魔力操作がまだまだだなこりゃ」
刺さっていないものに関しては魔力がもったいない。
それから何回も何回も"イクシード・ランス"を放つ。
「......こりゃ、たくさん放ったわね」
後ろから声が聞こえた。振り返るまでもなく、その声の主を俺は知っている。
「リン。いつからいたんだよ」
「いつからってさっき来たばかりよ」
「そうか」
「で?こんだけ撃ったのよね?もう魔力は....」
「そりゃ、まだまだ1割減っただけだよ」
「でしょうね」
俺の魔力量はリンに言われたが、異常らしい。
なんでも、何十人分の魔力が俺の中にあるらしい。
「ほんと、アルミストだけでも相当な...チ、チート?なのに...その魔力量は反則なのよ....分けなさいその器」
「んなこと言われてもな.......」
分けられるもんでもねぇし、あんただって相当チートだろ。
それからも、色々な技を復習していく。
「"ブリザード・アクス"」
氷華にも見せた技だ。気に入ってるんだよなこの技。
1本の棘が対象を突き刺し、そして凍らせる。意外にも使い勝手がいい魔法だ。
"ブリザード"は、範囲にいる奴らを強制的に凍り付かせるという唯一無二の氷系の技だが、仲間だろうと物だろうと、なんでも範囲内なら凍りつかせる魔法だから付き合いがっては悪い。その点、"ブリザード・アクス"は突き刺した相手だけを凍らせる。まーじで使い勝手がいい。
「あんたの中で精度がいいのって、やっぱり"ブリザード・アクス"なのよねぇ....あと
"ファントム"とかの幻影系。あんた自体が嘘で塗り固められているからかしら」
「どこが嘘で塗り固められているんだよ。どこも嘘なんてねぇよ」
どこをどう見たら、俺がペテン師に見えるんだ全く.....。
「....夜明けみたいね」
そう言われて空を見ると、黒かった空が青みがかっている。
朝の優しい日差しが出てくるまでそう時間はかからなそうだ。
「そろそろ帰るか」
「そうね」
俺らは家に向かって歩き出した。
康輔たちが帰宅する数十分前。
萌音は目が覚めた。
「あれ?こうにぃ〜...?」
萌音は目を擦りながら辺りを見回す。
しかし、さっきまでいた康輔の面影はそこになかった。
「どっかに行ったのかなぁ〜.....」
しかし、まだ眠たかった萌音はソファーで再度寝てしまった。
「すぅ...」
萌音が3度寝していることを知っている者は誰もいない。
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