第25話 康輔の謎

「んじゃま、学校行きますか」

「そうだね」

俺と萌音は家から出た。


「そういえば、こうにぃってさ」

「ん?」

「ドギマギとかふしだらなこととかしてないの?」

「どゆこと?」

まさかの妹からそんな話題が出てくるとか。

「萌音も高校生だし、そういう話題もしたくなるよな」

出来れば、氷華とかとして欲しかったけどな。

「ちっ違っっっ、そういうんじゃなくて」

「?」

「リンさんってほら、さ、サキュバスなんでしょ?」

「は⁉︎な、なんでそれっ」

「え?リンさんが教えてくれたよ?鏡花ちゃんと話してる時に」


あいつ、人の気遣いを‼︎‼︎‼︎

「ま、まぁあいつが言ったんならいい。それで?」

「サキュバスと一緒にいて、よ、欲...情とか...しなかったの?」

萌音の顔がものすごく赤い。

「言われてみれば、サキュバスってのは色欲の塊みたいな種族だよな。そう考えると今の今までそういう目で見たことないな」

普通に失礼なことを言ってるな俺は。

「そういえば、こうにぃが顔を赤くしたりとかそういう恋愛感情的なのを観たことないんだよね。本当に3大欲求あるの?」

「あるに決まってんだろ。確かにそういうことはないけどさ」

「ほら〜。こうにぃって思春期あるの?」

「だからあるって.....」

なんでそんなこと言ってくるんだ....。確かに心配なのもわかるけどさ。

そんな話をしながら投稿していると、

「おはよぅ」

めっちゃ眠そうな目を擦っている氷華と出会った。

「相変わらず朝弱いのな」

「しょうが...ない...」

「ほらシャキッとしろよ。遅刻するぞ」

「うん...」

「氷華ちゃん見てると、私まで眠くなってきちゃうよ...ふぁ〜」

萌音があくびをした。

「ここで寝られると俺がすごく困るんですが」

そう言ったのも束の間、


.........あれ〜〜〜〜???なんだか背中がすごく冷たいんですが????


後ろを見ると、氷華が作ったであろう氷でできたソリのようなものがあった。

そこには氷華と萌音が一緒に寝ている。ご丁寧に毛布を使って氷に触れないように寝ていやがる...。てかどっから持ってきたそれ。

まさか、俺に運んでもらうこと前提で持ってきてた....のか?

そして、ソリは俺と繋がっている。正確に言えば、紐のような氷が俺とソリを繋いでいるのだが。

「......はぁ」

やろうと思えば、こんなの簡単に壊せる。

しかしなぁ....。こいつらをここで置いてきぼりにしたら人間として終わる気がする。

「引っ張っていくか」


ー数分後ー

「はぁ....やっと着いた....」

「地味に重かったから大変だった...」

「私たちが重い....だって⁉︎」

やっべ。女子の地雷踏んでしまった。

「お、お前らじゃねぇよ。氷のソリが重かったんだよ」

そういうと、2人は落ち着いたようだ。

はぁ...別に重かろうが全然別に気にせんのに。

「「私が気にするの!!」」

お前らも読心術持ち⁉︎リンに続き、どうなってるんだ。


その後、俺はクラスの女子からしばらくの間白い目で見られるのだった。

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