「読み仮名」ってどこまで振ったらええんかね

 こんにちは、たてごと♪ です。

 ずーっと昔、まだ未明のころに早起きしては、親に隠れてこっそりと『おとぎりそう』をプレイしたりしてたけど、あれってよく考えたら「朝チュン」だったんじゃないか?


 ……はい(

 ゲームというものも、創作物のひとつですよね。

 これは小説などの静的な創作物とは違って、プレイヤーが進行に関与するものなので、またひと味違ったおもしろさのあるもの。

 そしてご周知の事かもしれませんが、動画サイトにおいては「ゲーム配信」という、ゲームをプレイする様子を動画で公開するジャンルもありまして。

 それは録画だったり、あるいはリアルタイムの生配信だったりもしますが、配信者がゲームにおいてどのようなワザを見せるか、あるいは反応や判断をするか。

 そういったところにおもしろがあって、なかなかの人気ジャンルとなってるわけですね。


 そういったゲームプレイを観ているとたまに、ゲーム内のテキストを配信者がきちんと読み上げできないケースが、ちらほら見られるんですよね。

 まあそういうアレも、視聴者のエサ()になったりしまして、ツッコミ入れてからかったりして楽しくやるわけですが。

 読めない理由としては、これ実際にやってみないとわからない感覚なんですが、何かをやりつつ読み上げもするって結構、混乱をしがちな作業だったりしまして。

 なのでまあ、「単純にトチる」って理由が、かなり強いんですが。

 それに次いで、「漢字の読み方がわからない」っていう理由も、大きかったりします。



     †



 そういった、漢字の読めない人を責めるというのは、まあ簡単なんですけども。

 でも、どうでしょう。

 特に小説とかの、文章オンリーの作品において、読めない字がいっぱい出てくる文章。

 これ読む気します?

 ゲームの場合なら別途、プレイという本題がありますから、多少のつかえは我慢してもらえるかもしれません。

 でも文字主体の作品で、読めない漢字がたくさん出てきたら、イヤになりませんか。

 じゃあ、っていう。

 せっかく読もうとしてくれた読者にいやがられて、遠ざけてしまうだけなんじゃないのかと。

 つまり、


  ◦ パッと読めなさそうな漢字には、残らずルビを振っておく


っていうのが基本的なルールというか、「配慮」というものなんじゃないですかね。


 これは、「純文学」というジャンルで特にやらかしがちの、けんちょで痛烈な失敗だと思ってます。

 いや、〝ルビなど極力振るべきではない〟とか〝難読な人名でもルビ振るのは最初の1回のみ〟とか、何ですかあのなぞルール。

 「読み」っていうのは知らない単語が出てきたときに、おんいんから得られる語感から、あるいは普段の経験則から、その意味を推測するのに役立つものです。

 辞書くにしても読みがわからないと、調べづらさは跳ね上がるでしょう。

 なのにその手掛かりを奪いまくって、より多くの脱落者が出るようにうながして、何がそんなに楽しいんでしょうか。

 ……伝統文化〝Sどう〟ってやつですか(

 せめて商業ではやめましょうよ、売れたいから売るんだろうに、読者選んでどうすんの、と。

 ただおうとつが気になるというだけの理由で、視覚障害者誘導用ブロックをてっきょするみたいな、バカな話も無いでしょう。


 じゃあどの程度の漢字が、読めてないのか。

 って見てみるとビックリ仰天、「弾劾」とか「所轄」とか「罷免」とか、それガッコで習うやろって漢字が読めてない。

 常用漢字表にだって載ってるやつです。

 にもかかわらず、そういう人は

 ぼくは以前には、常用漢字表に載ってない読みだけ全部ルビ振ってればいいか、って考えてたんですけども、それじゃあ追いつかない。

 慌てますわ。

 かと言って、それ警戒して全部の漢字にルビ振りまくろうとしたら、手数がひたすらかさむし、見た目的にも非常にうるさい事になってしまう。

 線引き、どうしたものか。



     †



 そこで思い浮かんだのが『日本漢字能力検定』、わゆる〝漢検〟というやつ。

 これは「日本漢字能力検定協会」といういち法人が主催しているものなので、公式ではないと言えばそうなんですけども。

 一般には準公的なものとして通用してますし、公式でないゆえにより実態に即した分類がなされている、とも期待できます。

 そして有難いことに、漢字ごとに「級」が決められてるんですが、それぞれが学校教育課程のどのあたりに相当するか、っていう目安も示されてるんですね。

 具体的にどう定義されているかと、あと2級までの漢字の一覧PDFが、次のWebウェブサイトで示されています。


 ◦ 『各級の出題内容と審査基準 ‐ 漢検の概要 ‐ 日本漢字能力検定』

  https://www.kanken.or.jp/kanken/outline/degree.html


 見ると、「3級=中学校修了程度」「準2級=高校在学程度」ってふうになってます。

 かつ中学までが義務養育課程なので、そこまでは「ひっ教養」、それより上級は「常識の範囲ではない」、ってふうに見なせるんじゃないか、と。

 したら準2級以上の漢字については、もう信頼せずにルビ振ろうか、と。

 それと3級以下の漢字ででも、常用漢字表に載ってない読みはたくさん有るので、それに関してはルビ有ったほうがいいかな、と。

 あと義務教育内のでも、「うけたまわる」のように長い読みが読めない、って人も少なくないようなので、中学以降の漢字で読みが3音以上になるやつもルビけたほうが親切かなあ、と。

 そんな事を思いつきました。

 箇条書きにすれば、


  • 次の条件にどれか該当するとき、その漢字には読み仮名を振る

    ◦ 漢検準2級以上(高校在学程度以降)の漢字の読み

    ◦ 常用漢字表に載っていない読み

    ◦ 漢検準4級以上(中学校在学程度)の漢字の3音以上の読み


というルールになります。

 このエッセイでとかでも細かくルビ振ってたりしますが、一応そんな感じの理由があるものです。

 おかげで例えば「ぼく」とか、ふつう読めるんじゃないかって漢字にも、ルビくことになりましたけどね。

 でも、「線引き」っていうのがそもそも〈思考時間短縮のために、個々の事情を勘案しない基準をくもの〉ですし。

 ルビは有ってもそこまで困るもんでもないですし、まあいいんじゃないでしょうか。


 ただこれは、飽くまで「ぼくはそうしている」ってだけのもの。

 細かい判定をいちいちやるのは、書き手にとってはなかなか大変な作業でしょう。

 ぼくの場合には、自前で組んだ支援機能でもって検出が容易なようになってますし、やってるうちにルビ振るべき漢字はおぼえてくる、って面もあります。

 とはいえ、大変であるのには間違いありませんし、すべての書き手の人たちに求めるのもこくってもんでしょう。

 「求めすぎ」ってやつが何につけても、よろしくないと思います。



     †



 そういえば余談。

 『ChatGPTチャットジーピーティー』先生にこの文章を見てもらったら、


  〝非常に興味深く、多くの有益な点を提供しています〟


という好評は得られたものの、


  〝教育学や認知心理学の研究を参照することで、提案の効果についてのさらなる証拠を提供できます〟


とのご提案もいただきました。

 ……。

 「教育学」とか「認知心理学」とか、未知の分野だってばさ……。

 上には上があるってかチクショウ(


 というわけで、みなさんはルビの振り方について、どうお考えでしょうかね。

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