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PM 3:10 札幌市内某所
魔力が不十分のまま召喚された『
それに伴い、廃倉庫の中はメチャクチャになり、いつ倒壊してもおかしくない状況だ。
不良たちは、この状況にパニックになる。ろくに魔術の手解きを受けてないのなら、それもそうだ。
「おい。暴れてる所悪いが、私が相手になってやる」
グラムとティルフィングを展開し、『
『合成獣』は、蛇の頭部を模した尻尾で、炎を吐く。私はそれを避けるが、倉庫の中の廃材に火が燃え移り出した。
「さすが、上位種の『幻獣』は違うな」
私は、『
――――――――――――――――――――
そもそも、『幻獣』とは何かとは。この世界とは別の世界にいる生物を、私達魔術師は幻獣と呼ぶ。
そして、それを可能とする術式を『幻獣召喚術式』と呼ぶ。
この術式は、術者自らの血を触媒にし、術者の魔力に比例した幻獣が、この世界に召喚されるのだ。
この術式を得意とする魔術師を、『
しかし、便利なものほどリスクがあるように、この術式のは重大な欠点がある。
そう、この術式で呼ばれた幻獣が、術者の魔力を上回った際、暴走するリスクがあるのだ。
現に、リーダー格の少年が呼んだ『
暴走した上位種の幻獣は、その周囲を破壊の限りに暴れ回るので、大体の『
――――――――――――――――――――
現状を言うと、召喚した少年は魔力が足りてないにも関わらず召喚した『
『
さらに、ヤギのような頭部で冷気の息を吐き出す。私は右腕とティルフィングを取り込ませ、その冷気を捕食させた防いだ。
「これはちょいと、きついな。さすがにグラムとティルフィングだけじゃ、しんどいな」
私は、グラムで吸収していた分の魔力を、『
それに伴い、廃倉庫の天井は吹き飛んでしまった。
「仕方ない。少し暴れるとしよう」
私は、眼鏡を外し、右手でそれを握る。
「『呪え ダーインスレイヴ』!」
私の声に呼応し、右手に持っていた眼鏡が、禍々しい剣へと変貌する。左手で鞘を抜くと、柄の部分にある瞼の様なものが開き、目のようなものが現れた。
私は、目に止まらむ速さで、『
『合成獣』は、龍のような頭部で魔術を放つ。しかし、私はそれを止めるように龍のような頭部の目に、ダーインスレイヴで刺す。
目を抉られ、暴れ回る『
「どうした? まだその程度ではなかろう」
『
そして、ライオンのような頭部で風の息を吐く。だが、私はそれを難なくと回避する。
「甘いな。お前の魔術は私には通じない。なぜなら、『視えてるから』な」
私は、『
ダーインスレイブの刃を見ると、血で赤く染まり、今にでも『
――――――――――――――――――――
『呪剣 ダーインスレイヴ』。
この魔具は、赤の魔具の中でも指折りの強さを誇る代物である。血や魔力を吸収し、蓄積した魔力を放つことが出来る。
しかし、この魔具は致命的な欠点が存在する。
そう、この魔具は使用者の魔力も吸い、その上所有者の殺戮欲求が解放されてしまうのだ。
一度鞘を抜いてしまうと、所有者が絶命するまで展開し続け、鞘に納める頃には、所有者は死んでることになる。
魔術院は、この魔具を封印する事で、被害を無くしていたが、今は私の手元にある。
ダーインスレイヴであっても、私の膨大な魔力を吸いきれないからだ。
私はこれを、普段は眼鏡として封印しているが、それでも所有者の魔力を吸い続けるので、危険なのは変わりない。
個人的には、この性質がむしろ都合がいい場合がある上、どうしようもない時にしか使わないのだ。
――――――――――――――――――――
かくして、今のところ『
龍のような頭部で、火球を放つが、私はそれを縦に斬る。そして、ライオンのような頭部の牙を破壊する。
再び怯む『
地面に落ちたダーインスレイヴを持ち、蛇のような尻尾を斬り落とす。
斬り落とされた尻尾から、大量の血が吹き出し、激痛の余り『
「終わりにしてやる」っと私はダーインスレイブに手を添える。そして、可視化した術式を並び替え、魔術を唱える。
「『グリモワル真書 第11節 『
無尽蔵の魔力と周囲の血を使い、それをダーインスレイヴに纏わせる。そして、それを『
私を襲おうとした時だった。『
体の内部から、次々と血の剣が現れ、しばらくして『
「やはり、幻獣相手は骨が折れるな」
『
『
なんと、先ほど倒した『
「どう言うことだ? まさか、もう一体呼んでいたのか?」
『
周囲を見渡しと、不良グループの生き残りたちはなんとか逃げていたようだ。
「今は、こいつを先に倒すのが先決か」
私は、魔具を取り出す。
「『喚べ ドラウプニル』!」
ドラウプニルを展開し、左手首をダーインスレイブで斬る。そして、幻獣を呼ぶ為の術式を唱える。
「『汝 我が契約に基づき 異なりし世界より現れよ
我が血 我が『
ドラウプニルが腕輪の形から、巨大なわっかになる。そして、亜空間のような穴が形成される。
「『今ここに 神すらも食い殺す獰猛なる狼よ 現世に君臨せよ!
食い尽くせ 『
亜空間から巨大な狼、『
『久しいのう。『魔女』よ』
「そうだね。アレを倒したいから、力を貸してくれないか?」
『無論だ。我も退屈をしていたところ。存分に扱うが良い』
私は、グレイプニルを展開、ドラウプニルと合体させて『
こうして、幻獣同士での戦いが幕を開けたのだった。
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