第18話デートの準備

「で、デート!?」

「うん!」


いやいやいやいや

絶対に無理!

お外出たく無い!

ってのは冗談だけど、普通に女子それも可愛い女子とは出来るだけ外で一緒に居たく無い!

だってそんな可愛い女子と一緒に歩いてると注目と言うか、他の男子からの嫉妬の視線で死にそうになる……


そ、それにデデデデートって!

いや、この前真昼ちゃんとデート擬きはしたけど、それでもガチのデートは今日が初だよ?

やばいよ?

だってデートだよ?

デートってアレだよね?

一緒に映画見たり、2人でお昼ご飯食べたり、遊園地に行ったりするアレだよな?


え、普通にダルい……


「それで美香はデートってどこ行きたいんだ?」

「えっとー、実は引越しの時に邪魔だったから服とか実家に置いてきたんだよね、だから今日は秋用の服を買いに行きたいなって」


なるほどつまりこれは俗に言う荷物持ちって奴か!

いや〜びっくりした、流石に相手が幼馴染だとしてもデートは緊張するもんな!

にしても美香の奴いつの間にそんな冗談まで言う様になったんだ……

俺は何だか置いてかれた気分なんだけど


「分かった、そのぐらいなら付き合うよ。」

「本当!よかった!じゃあ私ちょっと準備してくるね」

「準備?」


準備って何を準備するんだ?

見た感じメイクとかもしてると思うけど、服もTシャツとジーンズでちょっとラフかも知れないけど、買い物行くぐらいならそれで良いと思うけど……

それとも女子には男子に分からない準備が必要な物があるのか?


わ、分からん……


「まぁ考えても分からんものを考えても無駄だな。…………俺も着替えるか。」


改めて自分の格好を確認すると、上はこの前大量にサインしたTシャツのサイン無しバージョンで、したは中学の時に使っていたジャージで、1人で外に出る分にはいいが流石にこのまま出かけるのは美香に失礼だと思い、夏樹はバリエーションの少ない外行き用の服に着替えた。


上は無地の黒のTシャツに下は深緑色のジーパンを着て、個人的オシャレポイントに同じチームの先輩から貰った謎の十字架のネックレスを首から下げた。

その他財布やスマホなどの小物をショルダーバッグに詰めて、夏樹は家の外に出た。


「我ながら完璧だな」


それから待つ事10分


「お待たせ夏くん、待った?」

「いや全然」


少し申し訳無さそうに隣の部屋から出てきたのは、先程までのラフな格好とは打って変わり、上は薄灰色のクロプッドニットを着て、下は長い足を強調させる様なぴっちりとした黒のジーンズ、それに顔を隠す為か黒のマスクに、ピンク色のサングラスと言っていいのか分からないサングラスをして出てきた。


「こう言うのってあんま言っちゃダメなんだと思うんだけどさ」

「どうかしたの?」

「いやその服恥ずかしくないの?」

「ああこれ?」


そう言うと美香はニットを掴むと中が見えるのもお構い無しに、こちらへと見せつけるかの様にピラピラとはためかせた。


「ちょ!な、何やってんだよ美香!」

「えー大丈夫だよ?中にシャツも来てるし」

「そ、そう言う問題じゃ無いから!それと分かったからそのパタパタするのを止めてくれ!」

「は〜い」


はぁ……焦った

それにしても美香の服装何かもう色々と凄いな。

普通に外でヘソ出してるし、そしてそれ以上に……


足なっっっっが!!!


俺もどちらかと言うと足は長い方だと思ってたんだけど、やっぱモデルやってる奴は凄いな。

俺の腰辺りまで足あるんじゃねぇの?


そんで改めて見るとやっぱ美香の奴変わったよな。

前まではもっとちっさかったし、服も今みたいにオシャレじゃ無くて今の俺みたいな服装だったし、顔に関しては髪の毛で隠れたから見た事なかったけど、もし当時髪上げてたらさぞしモテたんだろうな……


うっ

あの俺と同じ陰の者だった美香から陽キャオーラがするぞ!


「それじゃあ夏くん行こっか!」

「うわっ!」


そう言うと美香は夏樹の腕に抱きつき、照れてあわあわしている夏樹を引っ張ってこの付近で一番デカいデパートへと向かった。

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