第15話櫻木美香

天童寺家を後にして、家に着いた夏樹は家に入るのと同時に、疲労のせいか靴も脱がずに玄関でぶっ倒れた。


次に目が覚めると……


「知らない天井だ……」


見知った自分の部屋では無かった。


「いやいやいやいや!何ボケてんだよ!あれ?昨日俺ちゃんと家に帰ってベッドで寝…………って無い!あれ?帰り道の途中からあんまり記憶無いけど、もしかして俺部屋間違えたか?いや、にしてはこの部屋どっか見覚えがある様な……ない様な」


あまりの驚きに心の声がダダ漏れになりながら部屋を見渡すと、床には踏み場もないほどの大量のやってない新品のゲームのソフトや、食べ終えた弁当やカップ麺のゴミなどが散乱した俺の部屋とは違い、その部屋は綺麗に整理整頓がされており、置かれている家財は全体的にピンク色で女の子女の子した部屋で、自分の部屋との差に驚きが隠せずに居た。


昨日真白さんの家に行った時も思ったけど、もしかして俺の家って結構汚いのでは?


少し不安な気持ちからピンクの掛け布団を両手で掴み、部屋の周りをキョロキョロ見回していると、部屋の扉がトントンとノックされた。


「夏くん起きた?」

「あ、はい!…………夏くん?」


その呼び方に疑問を持つのと同時に部屋の扉が開かれ、そうして夏樹はこの部屋の持ち主と邂逅した。


「久しぶり!夏くん!」

「もしかして美香か!?」


扉の先から現れたのは俺の幼馴染の櫻木美香なのだが、美香とは俺が高校を一人暮らしをしたいと言う理由だけで県外の学校にした為、中学卒業と共に疎遠になっていた。

はずなんだが……


「いや何で美香がここに居る……と言うか何で俺が美香の部屋に居るんだ?流石に疲れてたからって実家には戻ってないはずだぞ?」


と言うかすごい今?って感じだけど美香の奴成長したな……

何か俺の記憶だとずっと俺の後ろをついて来て、身長は前から数えた方が早いほどちっさくて、顔も伸ばした髪の毛で隠れてた陰キャ仲間だと思ってたけど、何かびっくりするぐらい美人になってない?

身長にかんしては俺(170cm)とそんなに変わんないし

逆によく分かったな俺……


「えっとね……夏くんに会いたくて来ちゃった!」

「そっか、来ちゃったか〜」

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