第16話 まさに神!

 テニスウェアの紗香ちゃんが、スカートをまくり上げてアンダースコートを見せてきた。


「…こんな感じなのか。普通の下着と大差ないね」

至近距離で観ることがないから新鮮だ。


「見せパンだろうと、妥協しちゃダメなんだって」


下着って、絶対女子の方がこだわり強いよな。乙女心の一種だろうか?


「観るだけじゃつまんないでしょ? 早く♡」


おねだりされたので、下のをクリクリしてあげた。


「良い感じだけど物足りないな~。…脱ご」


アンダースコート越しじゃ物足りない紗香ちゃんは脱ぎ出してしまった。コスプレHじゃなかったの…?


「脱ぐのはスカートの中だけ。ウェアの方は脱がないから」


俺の心配を予測してたようだ。一応今回の趣旨を覚えていたか。


「早く続きをしようよ~♡」


リクエスト通りに続きをする俺と紗香ちゃんだった。



 「…あ、もう終わってる」

慌てて部屋に入ってきた静ちゃんが残念そうに言う。


俺達は服を着ているし、が部屋内に少し残っているからな。


「お姉ちゃんが遅いおかげで、照を独り占めできたけどね~」

紗香ちゃんはご満悦だ。


「わたしだけ照さんとほとんど2人きりでれないのが不満です。一緒に住んでる光ちゃんはいつでもれますし、紗香だって…」


「あたしが今日れたのは、お母さんが出かけてるからだよ。いじけないでよ、お姉ちゃん」


「……」


静ちゃんの機嫌を取っておいたほうが良いな。


「静ちゃん。今度Hする時は君を最初に気持ち良くするから、それで許してくれないかな?」


「…わかりました。その時はお願いしますね、照さん♡」


求められるのは嬉しいが、いろいろ大変だ…。



 そういえば、紗香ちゃんにバイト見学の感想を訊くんだったな。携帯の文章は簡略化されていたから詳しく知りたい。


「紗香ちゃん。あの時のバイト見学はどうだった?」


「まさに神! 早く高校生になって、あそこで働きたいよ~」


神ときたか。余程気に入ったんだな。


「千春さんと一緒に男湯に入ったんだけど、ホントに見放題。それどころか、タオルを外してくれる人もいて最高だったよ~」


それって露出狂じゃないの? 2人に見せつけたって事だろ?


「あたしも千春さんに倣って『大きいね』とか『立派だよ』って褒めたら、みんな喜んでくれるの」


俺に言う資格はないが、変態に好評のようだ。


「あたしは観て満足、お客さんも観られて満足。これが“ウィンウィン”ってやつだよね?」


ウィンウィンをエロい意味で使ったのは、紗香ちゃんが史上初じゃないか?


「早く高校生になりたいな~」


紗香ちゃんの独り言に、俺と静ちゃんは温かい目で見守るのだった。

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