第11話 大学祭⑥ ハーレムの作り方を教えてくれ!

 パソコンゲーム研究部の部室で、千春さんはバナナをエロく食べて、企画発案者の川宮君を満足させた。アンコールを求められた彼女は、代わりにエロゲーをやらせてほしいと頼んだ。


それに紗香ちゃんが便乗したんだが「俺とHしたことある」と言い出してしまい…。



 「朝宮君とHした? キスとかそのへんかな?」

動揺を下手ながらもごまかした川宮君が紗香ちゃんに訊く。


「ううん。〇ックスの事だけど?」


「なんだと…」

川宮君が俺をロックオンする。


「最近の子は進んでるな~」

感心する沢田さん。


「朝宮君! 光ちゃんと静ちゃんは“ってるかも?”と思ったけど、紗香ちゃんにも手を出すとはどういう事だ!? 羨ましすぎるぞ!」


彼は本音を隠す気はないようだ。


「えーと…」

どう言おうかな?


「ねぇねぇ。そんな事より、どのパソコン使ってるの?」

紗香ちゃんが話を遮って川宮君に尋ねる。


「あれだよ」

彼は机の上にあるデスクトップパソコンを指差す。


「そっか」

それを聴いてパソコンの元に向かい、電源を付ける紗香ちゃん。


「紗香ちゃん。私中腰は辛いから、椅子に座って良いかしら?」


「良いよ~。あたしは後ろから見る」


千春さんは机前にある椅子に座り、パソコンを真正面に見据える。


「田中君はあのパソコン?」

沢田さんは声をかけてから、別のデスクトップパソコンを指差した。


「うん…」


「ウチも興味あるんだよね、エロゲ~」


彼女も机のそばにある椅子に座り、パソコンを操作する準備を整える。


「なぁ、どうすれば君のようなハーレムを作れるんだ?」


川宮君の追求は続く。


「さぁ…」


光がいなければ、俺は静ちゃんはおろか紗香ちゃんと知り合う事はなかった。強いて言えば“妹がいるかどうか”になると思うが、それは彼にどうこうできる事じゃない。


「川宮君。あくまで私の考えだけど、ハーレムを作るには“ギャップ”が大切だと思うの♪」


パソコンの起動を待っていて暇なのか、千春さんがフォローしてくれた。


「ギャップ…ですか?」


「ええ♪ 私とHしてくれる玲君は普段は大人しくて真面目だけど、いざという時は頼もしいし、Hの時は激しくなるのよ♪ その二面性が女の子を惹き付けるの♪」


「なるほど…。エロいオレのギャップは、って感じですかね?」


「それは私がアドバイスできる事じゃないわ…。川宮君が頑張って探すしかないわね」


「よ~し、頑張って探すぞ~!」


川宮君はやる気だが、ギャップって意識して探すものなのか? 水を差したくないから黙っておこう。



 「へぇ~。アイコンからエロいね~」

紗香ちゃんが興味津々な様子で言う。


パソコンのトップ画面には、胸とか尻に加えてエロい顔した女キャラのアイコンがたくさんある。本当に研究してるようだ。


「全部制覇したいけど…、まずはこれにしてちょうだい♪」


「わかった!」


千春さんが指差したアイコンをダブルクリックする紗香ちゃん。


「2人がドン引きしませんように…」

川宮君がブツブツ言っている。


彼がどんなジャンルを好むか知らないが、ドン引きされる事はないんじゃないか?


そして、トップ画面は切り替わる…。

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