第10話 大学祭⑤ 久しぶりじゃない逞しい棒

 パソコンゲーム研究部の部室で、千春さんが男性の気を引きながらバナナを食べることになった。沢田さんは次やるっぽい感じだ。


こんなひどい下ネタイベントに参加するなんて、2人は物好きだな。



 バナナの皮を半分ほどむいた千春さん。この後どうするんだろう?


「大きくて立派ね♪」


今回のやり取りは録画されているが、編集でバナナにモザイクがかかるらしい。千春さんはそれを計算に入れながら話しているな。


「最初に褒めるのはポイント高いな~」

川宮君がニヤニヤしながら見つめている。


あれ? 彼普通に声出しちゃってるぞ? 良いのか?


「おっと言い忘れた。音とか声の編集も安藤がやってくれるから、気にせず出してくれて良いからな」


川宮君と録画作業中の田中君以外に“安藤君”という部員もいると聴いた。話によると、彼のパソコンの腕は超凄いらしい。


「そうなの? 良かったわ~」

肩の荷を下ろす千春さん。


消してほしい音を消せるんだからホッとするよな。


彼女はリラックスした表情になってから…、むいたバナナの先端周りを舐め始めた。この行動を男のに例えた場合…。


「敏感なところを狙い撃ちか~。さすが千春さん」


川宮君の言う通り、先端部分は皮がむけているから敏感だ。


「ちはっさん、エロぉ~」


沢田さんは自分がやる参考として、注意深く観察してるようだ。


「川宮君に話を聴いてから、練習してたから♪」


このタイミングで“たま”を使ったのは偶然か?


「バナナで練習ですか? 旦那さんのじゃなくて?」

川宮君が尋ねる。


「旦那とは離婚したのよ。だから私がお〇ん〇んに触れるのは、玲君の時間が空いた時だけね」


「玲君? 付き合ってる人か〇フレですか?」


「娘の千夏ちゃんと結婚した大切な人よ♪」


「え? ちょっと待って下さい。その人、2股してるってこと?」


川宮君、明らかに混乱しているな…。


「2股じゃないわ♪ 千夏ちゃん公認だし、3Pしたこともあるわよ♪」


「……その人がめちゃ羨まし~!!」


光・静ちゃん・紗香ちゃんに手を出した俺が言う事じゃないが、千春さん・千夏さん・玲さんの3人の関係はかなり変わっている。


常連になって初めてその話を聴いた時は信じられなかったな。“事実は小説より奇なり”という言葉は間違ってなかったのだ。



 その後、千春さんはバナナを咥えたり、下から上にすくうように舐めたりした。彼女のエロテクニックは凄い。そのテクニックに男はもちろん、光達女子すら魅了するほどだ。


今は目の前で観てるからともかく、モザイクがあったら想像を掻き立てられるな。千春さんはエロい表情をしながら無我夢中なんだから…。


そして…、彼女はついにバナナを完食した。


「ごちそうさま♪ どうだったかしら?」


「最高です! 良いになります!」


「良かったわ♪」


「千春さん、できたらアンコールお願いします。俺ので!」


「川宮君、さすがにそれはアウトでしょ!」

沢田さんのツッコミが入る。


「わかってるよ。そう言いたくなる魅力があったんだから仕方ないだろ!」


「…恵ちゃんと川宮君って仲良さそうだけど、付き合ってるの?」


俺もちょっと気になった点だ。千春さんが訊いてくれて良かった。


「そういう関係じゃないから! ウチと川宮君・田中君は同じゼミってだけ!」


…この早い返答に、川宮君は落胆したように見えた。


「川宮君。バナナで良かったらアンコールOKよ♪」


「本当ですか!?」


「本当よ♪ その代わり、私のお願いも聴いてくれるかしら?」


「もちろん。オレに出来ることならなんでも!」


「それじゃあ…、Hなゲームをやらせて♪」


「あたしもあたしも!」

紗香ちゃんが食い付くが、年齢的にアウトだぞ。


「千春さんは良いけど、紗香ちゃんは…」

難色を示す川宮君。


「あたし照とHしたことあるし、実体験よりエロい事ってなくない?」


この言葉の後、静寂が訪れたのだが…。


「ええ~~~!!!」


すぐ放たれた川宮君の叫び声で、部室内は支配されたのだった。

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