第22話 盗聴を確認する①

 ネットで買った防水の小型盗聴器が届くまでに、俺と光は準備を済ませておいた。


準備というのは、光・静ちゃん・紗香ちゃんの女子3人で貸し切り温泉を利用する件だ。「俺が金を出すから、女子3人でゆっくりしてきてね」と伝えたら2人は嬉しそうに反応した。


光だけは寂しそうな様子を見せたが、百合に男が混ざる訳にはいかない。混ざれない分、みんなの声を聴いて色々妄想させてもらおう。


そして3人が貸し切り温泉に向かう日になった。光に別れを告げた後、俺は自室でゲームをして時間を潰す。


学校の時以外で光がそばにいないと、心に大きな穴が開いた感じだ。何もしても楽しめない。このままだと百合を楽しむ前に、俺が根を上げそうだ。


早く帰ってきて、光~~~!!



 「ただいま~」


玄関から光の声がしたので、自室を飛び出す俺。


「おかえり、やっと帰ってきてくれた。寂しかったぞ~」


「私もだよ、お兄ちゃ~ん♡」


…玄関でいちゃつく俺達。別れが兄妹の絆をより深めたな。


「それで、どうだった? うまく盗聴できたか?」


「わかんない。チェックしてないから…」


「とりあえず、俺の部屋に行って聴こう」


「そうだね」


―――

※今作はフィクションなので欲望のままに盗聴してますが、現実ではやらないでね♪

―――



 光が盗聴器の電源を入れてから再生する。さて、うまく聴こえるかな?


紗香『1番とられた~』


おぉ、紗香ちゃんの悔しそうな声がちゃんと聴こえるぞ。奮発して良かった~。


光は2人が来る前に盗聴器を置く必要がある。だから1番でないといけないのだ。


静『紗香。そんな事、気にしなくて良いでしょ?』


それからすぐ、水を流す音が聴こえる。2人がかけ湯したんだな。かけ湯の後に聴こえた小さな水の音は、湯船に入る時の音か。


「今日も、2人はスクール水着を着てたんだ~」

会話がない内に補足する光。


それは良い。脱ぐ過程が生まれるからな。


紗香『今日は3人だから、前よりゆっくりできるね』


光『そうだね。バストアップマッサージも時間かけてやろうか、静ちゃん』


静『今日もお願いして良いかな? 光ちゃん?』


光『もちろんだよ。じっくりやってあげるから』


紗香『あたしも手伝う~』


ここまでは前回と同じノリだ。もう1歩先に行って欲しいが…。



 それからは、静ちゃんの気持ち良さそうな声が途切れ途切れに聴こえる。光のことだから、近い内に何かしてくれるはず。


光『静ちゃん。良かったらだけど、直接やらせてくれないかな?』


俺の予想通りだ。後でちゃんと礼をしないと。


静『直接?』


光『うん。やっぱりマッサージは直接のほうが効果出るからね。無理には言わないけど…』


静『わたし、家族以外に裸を見せた事なくて…』


やはり、まだガードが堅いな…。


紗香『今日はあの人いないから裸になって良いじゃん。お姉ちゃんのためにあたしも一応着たけど、やっぱ脱いでくる』


音を聞く感じ、湯船を出て脱衣所に向かったか?


静『……わたしも脱いでくるよ。光ちゃんは裸なのに、わたしが着てると壁を作ってるみたいだから』


静ちゃんも脱ぐために脱衣所に向かったようだ。


良い展開だ。百合はここから始まるんだな!

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