第12話 尻を比べてみよう

 今日も静ちゃん・紗香ちゃんの部屋にお邪魔している俺と光。前回の帰り際にお願いのことを伝えたはずだが、言う前に紗香ちゃんが話を切り出した。


相手は年下だし、温かく見守ったほうが良いな。


「ねぇねぇ。お尻って、おっぱいと良い勝負できるもんなの?」


「えーと、どういう意味かな?」

男に興味があるって感じじゃないぞ。


「この間、クラスの男子が言ってたんだよ。『おっぱいも良いけど尻も良いよな!』って」


小6で尻に興味を持つのか…。なかなか渋いな。


「お尻って男にも女にもあるじゃん? てことは、あいつらはなの?」


男が自身にない膨らんだ胸に惹かれるのは理解できるけど、男女共にある尻に惹かれる理由がわからないようだ。どうやって説明しようか…?


「保健体育で習ったと思うけど、男女は体付きが変わってくるんだよ。男は筋肉質に、女の体は柔らかくなるんだ。だから男女の尻は別物なのさ」


「別物? あたしにはよくわからないな~」


小6だと男女差があまり出てないか? これから成長すればわかってもらえると思うけど…。


「…そうだ! 2人のお尻を同時に触ったらわかるよね?」

紗香ちゃんはそう言って、俺と光を観る。


「紗香。そんなのダメに決まってるでしょ!」

静ちゃんにしては大きめの声かつ厳しめに注意した。


「じゃあどうやって、別物だって判断するの?」


「それは…」


紗香ちゃんの好奇心に感心するが、光のことを考えると安請け合いできないぞ。


「紗香ちゃん。私のお尻で良かったら触らせてあげるよ」

光が俺と相談してないのに立候補してくれた。


「ホントに!?」


「うん。だけど、後でお兄ちゃんのお願いを聴くのが条件ね」

言い終わった後、光が俺にウインクしてきた。


俺のことを優先してくれるなんて…。光は最高の妹だ!


「わかった! あたしにできることなら何でもやる!」


何でも? …いかんいかん、変な意味はないはずだし控えないと。


「俺はもちろん良いからね」

に比べたら、ハードルはめちゃくちゃ低い。


「2人ともありがと~。それじゃ、立ってから後ろを向いて」



 光と並んで立ちながら、紗香ちゃんに背を向ける俺達。後ろからだといつ来るかわからない緊張感があるな。


「んじゃ、いっくよ~」


…紗香ちゃんの合図後すぐ、彼女の手が俺の尻を掴む。


「ひゃあ!?」

光が可愛らしい声で反応した。


タイミングは同じだったようだ。それにしても今の声良いな、録音したかった…。


紗香ちゃんの行動を上半身をひねって確認したところ、熱心に俺達の尻を同時に揉んでいる。


「…やっぱり全然違うね。これは別物だよ」


「わかったらすぐ止めて!」

静ちゃんは早く終わらせたがっている。


俺はともかく、友達の光にこんな事させてるからな。罪悪感が増すんだろう。


「静ちゃん。興味があったら、俺の尻だけでもどうだ?」


彼女は背中を押さないと行動を起こしにくい。どうせなら共に経験させてみよう。これも静ちゃんのためだ。


「…正直なところ、わたしも少し気になってました。本当に良いんですか?」


「OKだから遠慮なくやって!」


「わかりました。それじゃ…」

静ちゃんが恐る恐る俺の尻に触れる。


「…ここも男らしいんですね。こんなに違うなんて驚きです」


「でしょ? あたしが夢中になって揉む理由分かったんじゃない?」


「まぁ…」


こうして、2人のモミモミは気が済むまで続いた…。



 尻はほど珍しくないのか、長時間には及ばなかった。光がさっき言った『お兄ちゃんのお願いを聴くのが条件』の影響かもしれない。


「2人のおかげで色々知ることができたよ~。ありがと!」

無邪気な笑みを浮かべる紗香ちゃん。


「わたしも礼を言わせてください。本当にありがとうございます」

静ちゃんはペコリと頭を下げた。


「それでお願いって何なの~?」

紗香ちゃんが興味ありげに俺を観る。


いよいよこの時が来たか。さて、何を言おうか…?

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