第11話 姉妹は男を知る…

 静ちゃんと紗香ちゃんの共同部屋にて、紗香ちゃんの疑問に頑張って答えた俺。ふがいない結果になったが、好奇心旺盛なのは良いことだよな!


そんな中、紗香ちゃんが「男のを直接観て触りたい」と言ってきた。俺はどう答えるべきだろうか?



 「紗香ちゃん。さっき言ったように、はデリケートなんだ。わかるかな?」


「それはさっき聴いた。優しくすればいいんでしょ?」


「うん。ちゃんと守ってくれるなら、服の上から好きなだけ触って良いよ」

直接見て触るのは、次の段階にしよう。


「やった~! よ~し…」

無邪気に喜ぶ紗香ちゃんは、俺のに手を伸ばす。


「照さん、本当に良いんですか?」

心配そうな顔をする静ちゃん。


「もちろん。紗香ちゃんの力になりたいからね」


そしてついに、彼女の手がを握る。


「すご!」

紗香ちゃんは感心した様子でモミモミする。


「お姉ちゃん凄いよ!」


「そ…そう」

静ちゃんは顔を赤くしながらモミモミを見守っている。


「ねぇねぇ。ってお姉ちゃんに触らせたことある?」


「ないよ」


「お姉ちゃんも触らないともったいないよ! ほら!」


紗香ちゃんナイスだ! 静ちゃんのような大人しい子は、背中を押さないと動かない。この言葉を有効活用しないと!


「静ちゃんは男に興味があるんだよね? 遅かれ早かれ、触ることになると思うよ」

男とは、切っても切れない関係だからだ。


「でも…」


もう一押しか? どうすれば良いんだろう?


「静ちゃん。私と触れば怖くないよ♪」

光が自身の手を、彼女の手の上に添えてから誘導する。


静ちゃんの手を動かしているのは、あくまで光だ。しかし触り心地は、静ちゃんの手に伝わっている。どういう反応を示すか…?


「…紗香の言う通りですね。凄いです」


「でしょ? ホントは服の上からじゃなくて直接触りたいけどね」


興味津々の紗香ちゃんだから、そう言うのは予想済みだ。


「紗香ちゃん、何事にも“段階”があるんだよ。少しずつレベルアップしよう」


「レベルアップ? ゲームみたいだね!」


「そうだね。レベルが上がれば、やりたいことができるようになるよ」


光と静ちゃんの百合もレベルが上がれば…。妄想が止まらないぞ!



 それからというもの、無我夢中で触り続ける静ちゃん・紗香ちゃん姉妹。静ちゃんは光の補助がなくても、自分から触れるように進歩した。


2人は男を知ったようだな。こうなった以上、抜け出す手段はないだろう…。


「今日は本当にありがと!」


そろそろ帰ったほうが良い時間になったのでそう伝えたところ、紗香ちゃんが手を止めてお礼を言ってくれた。


「紗香ちゃんの役に立てて、俺も嬉しいよ」


「ねぇねぇ。またここに来て触らせて!」


「もちろん良いよ」


「やった~!」


感情を素直に表現するのが、紗香ちゃんの良いところだな。


「あの…、わたしも良いですか?」

恥ずかしそうに訊いてくる静ちゃん。


「静ちゃんも大歓迎さ!」


今の状態も悪くないが、このままだと静ちゃんと光の百合を観ることができないぞ。


ここは交換条件にするのが無難か? 一応言っておくか。


「2人には悪いけど、今度触らせる時にお願いを聴いて欲しいんだ」


「お願いって何~?」


……待てよ。この姉妹の百合も面白そうじゃないか? 静ちゃんがで、紗香ちゃんがだ。いや、案外逆もアリか?


何はともあれ、試す価値はあるよな。ダメだったらその時はその時だ。


「今度言うね」


これ以上の長居は厳しいので、俺と光は2人の部屋と家を出て帰路に就く。

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