第8話 俺のこだわりを教えてあげるよ
男慣れの一環として、静ちゃんを俺の部屋に招待した。彼女をベッドのふちに座らせ、俺と光が両隣に腰かける。
他にやりたい男慣れについて静ちゃんに訊いたら、小6の妹である
一体どういう悩みなのか? 静ちゃんの好感度のため、誠心誠意答えよう!
「紗香の同級生にすごくカッコイイ子がいるみたいなんです。多くの女の子がその子に注目してるとか…」
女子がイケメンに食い付くのは当たり前のことだ。男子だって、可愛い子に興味津々だし…。
俺はそういうのに興味ない変態だ。光がいるだけで十分だし満足だからな。
「ある時、その子が彼女を作ったみたいで…。ですがその女の子は、彼を『カッコイイ』って1回も言ってなかったみたいなんです」
さっきの王道からはズレた展開だ。何でその2人が付き合う事になる?
「紗香が気になって色々調べたら、男の子が胸が大きいのを理由にその女の子に告白して付き合ったらしいです」
胸の大きさで付き合う女子を選んだのか。その気持ちはわからなくもないが…。イケメンに告白されたら、さほど興味ない女子もOKするだろう。
「お兄さん。男の人にとって、胸の大きさは重要なんですか? 譲れないポイントなんですか? 教えてください!」
静ちゃんは真剣な表情をしている。これは真面目に答えた方が良さそうだ。たとえ、彼女にとって悪い話でも…。
「一般的に、男は大きい胸が好きだな。これは仕方がない事なんだ」
「やっぱりそうですよね…」
テンションを下げる静ちゃん。
もしかして、静ちゃんがバストアップマッサージをする理由は、将来作る彼氏のためか? 胸が大きくなれば、選択肢は広がるよな。
「お兄さんもやっぱり、大きい胸が好きですか?」
「俺? 俺は大きさで決めたりしないよ」
「大きさで決めないなら、どうやって決めるんですか…?」
「それは、誰の胸かどうかだよ!」
「誰の?」
「そう。俺は光の胸なら、大小はもちろん形も気にせず愛す自信がある!」
「もう♡ お兄ちゃんったら♡」
こんな変態発言にドン引きすることなく照れる光は最高だ!
「だから紗香ちゃんに伝えて欲しい。『胸の大きさで判断するんじゃなくて“紗香ちゃんの胸が好き”って言える男子と付き合ってね』と」
「はぁ…、わかりました」
内容はアレだが、誠心誠意答えたのは伝わったかな?
「お兄さんに相談して良かったです。わたし1人じゃ絶対思い付かないので…」
思い付いたら困るけどね。俺と同レベルの変態になっちゃダメだよ!
今日は相談の時間が長くなったので、おまじないをすることなく静ちゃんは帰っていった。ちょうどネタ切れだし良いや。
静ちゃんが帰った後も、光は俺の部屋にいる。ベッドで2人きりの今なら進捗を訊けるな。
「光。静ちゃんのボディタッチは捗ってるか?」
そしてゆくゆくは、互いのバストアップマッサージに繋げたい。
「うん。制服の時は効果が薄いと思うから、体操服の時はちょいちょいとね」
「それで良いよ。この前言った通り、自然な感じを最優先にしてくれれば良いから」
不自然なボディタッチは、不審を抱く元だ。一度抱かれたら修復するのは難しい。そんな大変なことを光にお願いするのは心苦しいが、俺にはできないからな…。
頑張ってる光を気持ち良くさせるのが、今の俺ができることだ!
夕食と風呂を終え、俺は光の部屋にいる。寝る前のイチャイチャを始めようとした時に光の携帯の着信音が鳴ったので、彼女はすぐ携帯の元に向かう。
イチャイチャ前で良かった。これが途中だったら間違いなくイラっとしてたな。
「お兄ちゃん。静ちゃんから〇インが来たよ。お兄ちゃんも見て欲しいって」
「静ちゃんから?」
俺は光の隣に移動し、携帯を覗き込む。
『お兄さんが言ったことを紗香に伝えたら、興味深々に聴いてました。あの子が他の話も聴いてみたいって言ってきたんですが、無理ですよね…?』
つまり、他に相談したいことがあるのかな? それとも年上の俺が珍しいのか?
「お兄ちゃんどうする?」
俺は光と静ちゃんの百合が見たいのだ。紗香ちゃんに構うと遠回りになるような…。だが“急げば回れ”かもしれないし、悩むところだ。
「外堀から埋めるのもアリかもしれないよ」
光の言う通りだな。紗香ちゃんが俺に懐けば、静ちゃんと接する時間は増えるだろう。それはチャンスが増えることに繋がるはず!
「…紗香ちゃんと話してみよう」
「わかった。そう伝えるね」
光は素早くタップする。
そして10秒ぐらい経っただろうか。静ちゃんから返信が来た。
『ありがとうございます。場所はどうしましょう? いつもお邪魔してるので、わたしの家でも構いません』
静ちゃんの家か。気になるし、男慣れの課題になりそうだ。
「お邪魔するって伝えて」
「オッケー」
…すぐ返信が来たな。
『わかりました。紗香と同部屋で狭いですが、当日はよろしくお願いします』
「同部屋? 高1と小6の同部屋って珍しいよな?」
「静ちゃんの家は小さいマンションなんだって。行ったことないから、よくわからないけど…」
そのような状況だと、姉妹同時に情報を伝えることができるな。これを有効活用したいものだ。
静ちゃんの家に行く約束を取り付けた後、俺達はベッドに行きイチャイチャする…。
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