第7話 静ちゃんの悩み

 光を通して、静ちゃんの恥ずかしいことを知った俺。彼女が風呂場でバストアップマッサージをしている…。考えるだけでテンションは最高潮だ!


ひとまず、このマッサージを2人にやってもらうのを当面の目標にするか!



 光には普段の学校生活で・自然な感じで静ちゃんの体に触れることをお願いした。いきなり胸に触れるのはハードルが高すぎるからだ。


とはいえ、今はわからないが2人は体育のペアだった過去がある。つまり、体に触れる・触れられる抵抗感は他の人より少ないはず。


少しずつ、静ちゃんの違和感がなくなっていくことを願うばかりだ。



 後日。3回目の男慣れ・おまじないの時を光の部屋で迎える俺達3人。今日は何をさせようかな~? 厳しすぎてもぬる過ぎてもいけない。加減が難しいぞ。


「影山さん。今日の男慣れは『男の部屋に行ってみよう』だよ」


「それってつまり…」


「今から俺の部屋に行こう。もちろん光も一緒だから安心してね」


「なら良かったです…」


1対1はまだ不安か。これも慣れてくれると良いんだが…。俺は立ち上がり部屋を出ようとすると、光が続いて静ちゃんが最後尾になった。


そして…、俺の部屋に初めて静ちゃんを迎え入れる。光の部屋と違って折り畳み机がないので、ベッドのふちに座らせた。


静ちゃんを真ん中にして、俺と光が両隣だ。


「どうかな? 俺の部屋は? 頑張って掃除したんだけど…」


静ちゃんはキョロキョロしながら、クンクンニオイを嗅いでるように見える。


「この部屋臭う?」

マズイ、静ちゃんの好感度が下がってしまう! 消臭をもっとやっておけば…。


「いえ、違うんです。男の人の匂いっていうか…。光ちゃんの部屋とは違いますね。なんかドキドキしちゃいます♡」


静ちゃんは少し恥ずかしそうだ。この程度で顔を赤くするとは、本当に初々しいな。


「そう言う事か。影山さんに嫌われちゃったかと思ったよ…」


「お兄さん、これからはここでお願いしても良いですか? わたし、この部屋の匂い好きになりそうです♡」


「もちろん良いよ」


…よく考えると、光と静ちゃんがここにいたら、おまじないの時はどうすれば良いんだ? 俺、席を外すことができないぞ?


どんな内容も同席OKなのか、そこまで考えてないのか…。まぁ、その時次第だな。



 “俺の部屋に行く”以外の男慣れを考えてないので、静ちゃんにやりたいことを訊くか。


「影山さん。男慣れとして、俺の部屋でやりたいことある?」


「そうですね…」

静ちゃんは考え込む。


『俺のパンツをクンカクンカしてみる?』は難易度が高すぎるし…。


「でしたら…、相談に乗ってくれませんか?」


「相談? 良いけど…」

俺に答えられる相談なのか?


「わたしの妹のことなんですけど…。6年生の紗香さやかって言います」


小6と高1の姉妹か。つまり4歳差だな。にもかかわらず、歳の差をかなり感じるのは何でだ? 言葉の響きが関係するのか?


「紗香が男の子のことで悩んでるんですが、わたしにはよくわからなくて…。ぜひお兄さんの力を貸して下さい」


男の意見を聴くのも“男慣れ”の一環だろうな。誠心誠意、答えるとしようか!

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