16話。
「オリゴス、お疲れ様。」
冒険者達との戦いを終え、鎧の目元の隙間から矢が突き刺さったままのオリゴスをボス部屋である古戦場跡に戻って来るのを出迎え、一仕事終えた彼へ労いの言葉を掛ける。彼は恭しくその場に跪き、私の言葉を受ける。私としてはもう少し仰々しさを減らして貰っても構わないんだが……きっとそういう性分なのだろう。
今回手に入れた冒険者の死体、魂、そして遺品となる装備品の数々を確認しながら先ほどの戦いを振り返る。
まず盾役の
しかし、オリゴスには肉体がない。
膝への攻撃にも、目元への攻撃にも一切怯むことなく、オリゴスは動き出す。膝へとナイフが刺さったまま、目元へと矢が突き刺さったまま、構えた大剣を横へと一閃。目にも止まらぬ速さで振られたその一太刀は、虚空を斬ったかのように見えた。余りの速度に息を吞む
その時、リーダー格の男が雄叫びをあげながら背後から斬りかかった。不意打ちで叫んでは意味がないだろう、とは思うが彼も仲間を一瞬のうちに失って正常な判断ができなかったのかもしれない。オリゴスはすぐさま反応してみせ、振り向きざまに懸命に立ち向かう男の刃へと振り下ろす。鍔迫り合いになることすらなく、男の剣はあっさりと打ち砕かれその身を斜めに切り裂いた。
いつの間にか距離を置いていた
こうして、オリゴスの、そして我がダンジョンの初戦闘は幕を閉じた。そして思ったことがある。
予想より冒険者達弱かった。
いや、これは少し語弊があるな。彼らは人間の中ではかなり強い部類に入る。何なら上から数えた方が早いくらいには強かったはずだ。少なくとも以前の私が彼らと戦うことになれば苦戦していただろうし、
次の戦闘があった場合のことを考えつつ、私は冒険者達から手に入れた戦利品をどのように活用しようか考えるのであった。
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更新遅れてすみません!
お仕事が忙しかったのと、作業環境がPCなのですがPCを触れない状況になってしまって……。
戦闘シーンはありませんと言いましたが、自分の練習のためにも回想で軽くではありますが少し書いてみました。
どうも俯瞰して見る状況というか、場面を立体的に捉えることが苦手でして……今後も戦闘シーンでは違和感を覚えたり、前に書いてたことと違う、みたいなことがあるかもしれないので、そうならないように頑張ります。
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