14話。(???視点。)
何なんだ、このダンジョンは。
至る所に仕掛けられた大量の罠。
あと、未だに一体も出てこない魔物。これもおかしい。普通ダンジョンというのは魔物で溢れている。ダンジョン内の空気に含まれている魔力から生成されているという話だが、このダンジョンには魔物がいない。いや、まだ探索していない箇所があるからいない、とは言い切れないが……それなりに探索をして一体も魔物を見ないというのは不思議なことだ。出来たばかりのダンジョンだからか?いや、以前新しく出来たと思しきダンジョンを調査した時はかなりの数、種類の魔物がいた。ここは罠が主体のダンジョンなのだろうか。しかし一つだけ、心当たりがある。
道を抜けた先の広場から放たれている異常なまでに強い圧迫感。これほどの重圧は今まで感じたこともなかった。
他のメンバーも同じことを考えているようだ。
まだ真ん中の道は探索していないが、まず間違いなくここにも罠が設置されている。左と右で罠の種類が違ったことを考えると、また別種の罠だろうが……今はここで切り上げて、後日大規模な調査隊を結成した上で改めて調査し直すことが懸命だと思う。少なくとも俺達四人だけではダンジョンの奥まで調査することは不可能だ。
四人でそう結論を出し、荷物を纏めて早々に脱出しようとしたその時。外から日光を取り込んでいた入り口が唐突に土の壁に覆われる。周囲に灯りもなく、真っ暗になった空間に次々に灯りが灯っていく。壁にたいまつ?さっきまでそんなものは……。
しかし、それ以上別の事を考える余裕はなかった。
中央の道から、ダンジョンの奥で感じた強大な圧が迫って来る。ずん、ずん、と。一歩一歩地面を踏みしめて。少しずつ、少しずつ迫って来る。姿はまだ見えていないのに、足音が、圧が近づいて来るたびに心音が加速していく。呼吸が浅くなり、身体が震える度に歯がかちかちと音を鳴らす。ついに、それが姿を現した。
そこには、黒い鎧を纏った絶望が立っていた。
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お待たせしました、14話です。
土日は名前に悩むのかと思ったら普通に用事が出来て更新できませんでした……。
名前は結局勢いで決めましたね。苗字とか考えたら多分死ぬほど疲れるのでなしにしました。
確かヨーロッパとかは16世紀くらいまで苗字の文化が根付いてなかったって記憶がぼんやりあるので、ナーロッパ世界観ということでここはひとつ……。
あと、彼らは男3:女1です。以下の通りです。
男:リーダー、重騎士、盗人
女:狩人
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