屋上で。

「なっ、なんてこった…! 自分の弟にそんな事をするなんてお前それでも友葵君のお兄ちゃんか!?」


 克己は衝撃を受けると思わず胸ぐらを掴んで詰め寄った。


「ハン、それがどうした? 弟のアソコを舐めたらいけない法律なんてのはないんだよ。俺が友葵のアソコを舐めたりシャブたり弄ったりしてもお前には関係ないだろ!? 第一そんなきっかけを俺に与えたのはお前のほうだ。責めるなら自分の失態を責めるんだな?」


 優希は彼にそう話すと、然り気無くカッコつけた。克己はそこで愕然となった。


「くっ……! 友葵君にあんな事を言うんじゃなかった…!」


 愕然となる彼の側で、優希はワル顔で耳元で囁いた。


「――本当にお前には感謝してるよ。お前のおかげで、新しいオモチャをみつけたからな。みつけたついでに可愛い弟の友葵を自分だけの性奴隷にするつもりだ。本当にとんだ棚からぼた餅だったぜ――。なんなら今度うちに遊びに来いよ、うちのAV女優(弟)を見せてやるからさ」


 そう言って優希は彼の耳元で怪しく囁くと、ククッと冷酷な顔で笑った。


「そうだ。さきに一つ言っとく、この事を誰かに言いふらすとか馬鹿な真似はしない方がいいぞ? 言ったらお前の恥ずかしい話を録音したテープを校内中に一斉に流すからな」


「クッ……! なんて腐れ外道な奴なんだ…――!」


「ついでにお前が美紀ちゃんの縦笛を勝手に吹いていた事をクラスの皆にメールで一斉送信してやる。お前の好きな美紀ちゃんにこの事を知られたらさぞかし幻滅されるだろうなぁ?」


 優希は精神的な脅迫で彼の心を揺さぶった。克己はその瞬間、地面に両手をついて愕然となった。




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