屋上で。

「ううっ……だ、だってしたかったんだもん……!」


「あっ? 何を?」



『自分の部屋でエロ本見ながらオナニーしたかったんだもん!!』



 赤面しながら大きな声をあげてその事を話すと、優希は前のめりでずっこけて倒れた。


「ちょっ、お前、今なんて言った……!? 自分の部屋でオナニーだって!? それとうちの友葵が、どう言う……!?」


 信じられない言葉に驚きを隠せなかった。克巳は顔を赤くさせながら本当のことを話した。


「――そう、あれは本当に事故だった。うちの弟の裕也とお前ん家の弟が、家の中で隠れんぼして一緒に遊んでいたんだ。俺は学校から帰って来て直ぐに自分の部屋に向かった。まさか弟君が遊びに来てるとは知らなかったんだ! 俺はエロ本見ながら、オナニーをする事に夢中になっていた。すると、フと背後から視線を感じて後ろを向いたらそこに友葵君がいたんだ! 友葵君は事もあろうか、俺の部屋の押し入れに隠れていたんだ! そう、まるであれはクローゼットの中から出てくるブギーマンみたいだった! 俺は友葵君にオナニーをしているところをガチで見られちまったんだよぉっ!!」


 克巳は赤裸々に事実を話すと赤面して泣き伏せた。


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