第39話 再会
「だってあの子たち毎日来るの。今日も来た。明日も来るって」
「そんなの病院に言って追い返してよ。それくらい出来るでしょ」
「先週、先生方がお見えになって土下座で謝るのよ。大人の事情で許してしまいました。申し訳ございませんでしたって、分かっていたってまだ治って無かった事。子どもたちは知らなかったって」
「そんなのそれこそ勝手じゃん。大体さ、母さんここで今日すべき話? 止めなよケーキ食べよ」
「せめて行くことは許してやって下さいって」
「そうしたら母さんは明日から追い返す係に徹してね。私は大学に通いながら光を見るから」
クリスマスの病室は暗かった。
イブは三人だったが、今日は一人ぼっちだ。
大学は卒論がヤバいらしく年内に出さないと終わってしまうようだ。内定は出たが就職出来ないと困るのは姉ちゃんだ。殺気を込めて作業されても迷惑だ。管は外れていた。カテーテルも尿道から外れたので、痛い思いをしながらトイレに通っている。
売店で本でも買おうか、姉ちゃんに頼むべきだった。
「よっす先輩」
売店の前で振り返ると指定外のジャージ姿の松山が立っていた。
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