第13話 パーティを組む
イリエ村で
これからどうしようかと思っていたら。
「私とパーティを組まない?」
突然ローズからの申し出があった。
「逃げ隠れするより、よほど建設的だと思うわよ。
「勇者云々とかはしばらく考えなくていいから…。」
どうやら、ローズさんはぼくたちの事を思っての提案らしい。
確かに王国から逃げられると思えない。
ならば仮にでも戦いますって形をしておいた方がいいというのだ。
消極的だとは思うけど。
****
しばらくして、イリエ村から王都へ。
乗合馬車で向かった。
「まさか、Ⅾランクだったとはね。まあいいわ、Cランクの依頼を受けに行きましょ。」
ぼくたちは冒険者ギルドへやってきた。
王都のギルド。
何でも高ランクの人と一緒だと上のランクの依頼を受けれるらしい。
都だけあって、ギルドも大きかった。
「これがいいかしら。」
適当な紙を取って、ギルド受付で申請をする。
「ローズさん、これCランクですけど良いんですか?」
受付の女性リサが言うと
「他の二人に合わせてやってるから良いのよ。」
とあっさり答えていた。
ぼくたちは王都から少し離れた森へ来ていた。
「モンスターと戦ったことある?」
ローズの問いに、ぼくたちは顔を横に振った。
「だよね~。そんな感じしてたもの。」
「まあ、見てなさいな。」
「火よ、目の前の敵に放たれよ、ファイヤーボール」
火の玉が勢い良く飛んでいき、スライムに当たった。
スライムは溶けてしまった。
「ちょっと強すぎたかしら。」
「ほら、やってみて。」
ぼくはスライムに向けて手をかざして、
「火よ、目の前の敵に放たれよ!ファイヤーボール」
火の玉がスライムに飛んでいく。
スライムは焦げた程度で、火は消えていった。
「少し弱いかしら。スライムには十分だけどね。杖とか後で買いましょう。」
「火よ………。」
シオリが、魔法を発動させていた。
火の玉が勢いよく飛んでいく。
何匹かかたまっていたスライムが一瞬で消滅してしまった。
「あれ詠唱は?」
ローズは、驚いていた。
「何だか恥ずかしい…から。」
「唱えなくても出来るものなんだな?」
「いやいや、普通できないから!」
あれ?ローズさん怒ってないか?
どうしたんだろ。
「きっとシオリは、特別なのよね。まあ、いいわ。」
ローズは何か諦めたように肩を落とした。
ぼくは自分のステータスを見る。
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フォレス16歳 人間 冒険者
HP 200/200
MP 500/500
スキル 鑑定 剣技
魔法属性 火魔法、土魔法、風魔法
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シオリとぼくのステータスはあまり変わらない気がするけど・・。
あの魔法の威力は‥。
何か違うのだろうか?
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