プレイヤーイベント戦@南方2
「ガウ?ギャォォォォオ!!!!」
サンドドラゴン・ハウトが『あれ?僕、死んだんじゃなかったっけ?まあいいや!』的な叫び声をあげる。全然良くないと思う。
「ギャォォォォ!!!!」
またの叫び声と共に砂嵐が巻き起こった。
〔提示。サンドドラゴン・ハウトがスキル『砂嵐』を発動致しました〕
〔視界が悪くなる程度だが、それだけでも初期の頃は苦労したな。第六感が使えるようになるまでが大変だった〕
〔提示。うんうんと頷いておられますが、通常第六感が使えるプレイヤーはあまりおりません〕
〔(゜ロ゜)〕
「おっし!気を取り直してやるぞ。死霊術師も言ってたが、倒しちまえばなんとかなる!」
なんかちゃっかり指揮官ポジについてる
戦闘とは言ってもやることは多分他の大陸とは全然違う。
「第一部隊、準備オッケー!」
「よし!やれ!」
ドッガァァンッッ!!!!!
「ギャウゥゥゥゥゥ!?!?!?!?」
サンドドラゴン・ハウトは強力。まともに攻撃しても、ダメージは入らない。だったら、アイテムに頼って爆発させてしまえばいい。
「、、、おい、ドラゴン。タピオカだったか?お前の主人はこれ直せるのか?」
「サッ」
「目をそらすな目をぉ!」
〔、、、エーデル?〕
〔提示。私は爆弾を使え等とは
〔エーデル?〕
〔すいません〕
〔よろしい。どうせお前は直せるからと仕向けたんだろうが、そういう問題じゃない。賠償になんか用意しとけよ?〕
後ろで、気絶から起きた領主様と、タピオカさんが何か話してる。えっと、、、『直せる』『目をそらすな』『諦めるな』?
、、、あっ!
私はサンドドラゴン・ハウト付近の爆破された地面を見た。ここ、アイン近郊、、、
私は地面をもう一度見る。やはり、爆発でぼこぼこになっている。
、、、、、、やべ。
「聞いて」
『
遠くの人でも、だいたい100m位なら声を届けられるスキル。私の愛用品。弱点は効果範囲のせいで燃費が悪いのと、囁き声でしか届かないから、熱中してたりすると気づかれないことがあること。
でも大丈夫。
「っつ!?おーい!!お前ら!にゃん子が何か聞けってよ!」
気付いたひとが伝えてくれる。、、、プレイヤーネーム、他の人に呼ばれるのちょっと恥ずかしい。
「ここは街近郊。爆破は控えたほうがいい」
再びのウィスパー。今度は注目が集まってたから、ほとんどの人が聞いてくれた。
「まじだわ。やべぇ。お前ら!すでに手遅れのやつは気にしなくてもいいが、爆破すると死霊術師の同類になるぞ!!」
「は!?爆発でもそうたいしてダメージ入ってねぇっつーのにか!?」
「しょうがないだろ!今後住民からの好感度下がるほうが問題だわ!」
「傷口だ!傷口を狙え!どうせあのサンドラは街には入れないんだ。爆弾なしでいける!」
「ギャォォォォウ!!!!」
今まで、しっぽでなぎ払いをしたり、爪で攻撃したりしてきたサンドドラゴン・ハウトが、口を開け、何らかのエネルギーをため始めた。
「ブレスは引き付ける。守って」
「おうよ!」
強力な類いの攻撃は、私がスキルで引きつける手筈になってた。でも、私のHPと防御力では、多分一発で溶けることになる。だから、何人かの防御特化のプレイヤーに来てもらっていた。
「ガァァァァァァァ!!!!!!」
「『
私は人差し指と中指をサンドドラゴン・ハウトに向け、スキル目を唱えた。
「ギャオ!?」
「来るぞ!耐えろ!!!」
「「「はいっ!」」」
5秒間、相手の注目先を自身に固定するスキル。範囲攻撃でもなんでも、引き寄せることができる。何も消費せず、詠唱もない強力なスキル。1日5回しか使えないのが欠点。
「おめーら!ブレスの最中も攻撃を怠るな!にゃん子が引き付けてるあいだは絶対に当たらん!!」
〔提示。サンドドラゴン・ハウトの最高威力、半無効を確認。傷口を狙うなどの方法により、確実にHPが減っております〕
〔ゆうて数秒だろ?さらには回数制限、もしくは多大なMP消費があるとみた。ブレスは一回あたり100×秒数。途中で防げなくなる〕
〔提言。サンドドラゴン・ハウトのMPからして、MPぎれのほうが早いかと〕
〔、、、そうか。MP1500だったもんな〕
「、、、ガウ。ガウ。ガウ。、、、ガウ」
? ブレスが終わったあと、サンドドラゴン・ハウトが攻撃の手を止めた。
何かを、考えてる?
「、、、ギャウ!」
しばらくブレス以外の攻撃をした後、サンドドラゴン・ハウトがまたブレスの予備動作に入った。
「来る」
「おう!HPも人数も大丈夫だ!どんと来な!」
「『
サンドドラゴン・ハウトの顔が、私へとむく。、、、え?
「ギャァウギャウギャウwww」
サンドドラゴン・ハウトは、ブレスの発動をしてなかった。、、、というか、あの笑い声、ムカつく!
〔提示。サンドドラゴン・ハウトがスキル、蜃気楼を発動致しました〕
〔軽い幻覚程度なんだが。さてはあの探索者、精神力に数値振ってないな〕
〔是〕
〔おいエーデル。勝手に鑑定するのはマナー違反だぞ〕
〔当機は破戒神ですので〕
〔開き直んな〕
「、、、どうしよう」
「初っぱなで対策たてられるとは、、、」
どうする?今回ダメだったってことは、次回からも駄目。もうブレス封じは対策が建てられてる。変則的に使えば効く?外れた場合の代償が大きい。どうす
そこまで考えたとき、空からなにか降ってきた。
「おっとどっけものでぇ↑~~す↓!!」
おわっ!?でこぼこ。地面悪っ!?などと叫びながら、郵便局の配達員の服装に似た、赤い服の少女が地面に降り立った。
「はぁい↑。空から見ていたらぁ↓。なんだか街にじゃなくて直にのほうがいいんじゃないかなって私思っちゃった次第でしてぇ↑。おっとどっけに参りましたぁ↓」
、、、とても早口で独特な口調。分かりにくい。
でも、助かった。
「手の空いてるやつは買ったアイテムとりにいけ!!畳み掛けるぞ!!」
〔提言。配達員が到来致しました。これはアリなのでしょうか〕
〔ロロからは駄目とは聞かされていない。いいんじゃないか?〕
「はーい↑?これはこれは↑みんな初心者さんでーすねぇ↑。じゃじゃ、私は邪魔しないほうがいいっぽいですね↓。ではではではでは他の配達にいってきまぁす↑!」
ばびゅんっと、配達員さんは飛んでいった。
「行くぞぉぉぉぉ!!!!」
「「「「おおおおおおお!!!!」」」」
他のプレイヤーたちが駆け出し、私も所々で補助やサンドドラゴン・ハウトの妨害を行う。見事な連携。勝った、多分。
でも、私たちは知らなかった。この後、領主様による反省会が待っていることを。
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