第7話 友美とセリナの出会い
☆中西恭三郎サイド☆
久城とはもうこれっきりで会わないだろう。
そう思っていたのだが。
久城が何故か俺の家に来た。
それから周りを見渡してから呆れて部屋の汚さに眉を顰める。
「家の中を片さないのが不思議でなりません」
「元来友人仕様じゃないからな」
「意味の分からない事を言わないで下さい。.....片付けますよ。時間が無いですし」
俺は苦笑いを浮かべながら、はいよ、と返事をする。
それから片付けが始まった。
ゴミは分別して下さいね、と厳しく指導も入る中で、だ。
俺はその言葉に分別していく。
「久城」
「はい。何でしょうか」
「何で俺の家に来たんだ?放っておけば良いのに。俺なんか」
「来ては駄目なのですか?」
「いや。そういう意味じゃ無い。お前が面倒くさいんじゃないかって思って」
「私はそうは感じません。汚いのを目にして腹が立つだけです」
言いながら俺に、ゴミ袋下さい、と久城は話してくる。
俺は、はいはい、と言いながら久城にゴミ袋を手渡す。
それから久城は、どうも、と返事しながらぶっきらぼうな感じで片付けをする。
すると久城は、これは何ですか?、とジト目になった。
俺は、?、を浮かべつつ見ると。
グラビアアイドルの聖子ちゃんの写真が。
おっぱいが大きいグラビアアイドル。
俺は赤面しながら、す、すまない。嫌な物を見せたな、と言葉を発しながら片付ける。
すると久城は自らの胸に視線を落としていた。
「久城?」
「な、何でもないですよ!」
「まだ何も言ってないんだが」
「さ、さあ。片付けです!とにかく!」
久城は慌てながらゴミ袋を纏める。
その様子は慌てている様に見えるのだが。
恥ずかしい物を見せたせいか?
思いながら作業をする。
すると、中西さんはその。大きいおっぱいが好きなのですか、と聞いてくる。
俺はガラガラガラと持っていたゴミを落とした。
「な、何?!何でそんな事を聞いてくるんだ!?」
「い、いや。ちょっと考えて言ってみただけです」
「いや。ちょっと考えただけって!?」
「だからちょっと考えてみただけです」
中西さんは変態ですね。そんな感じで追求するなんて、とまた赤面でジト目になる久城。
胸を隠す仕草をする。
俺はその姿に慌てながら、す、すまん、とだけ返事をした。
何でそんな事を聞いてくるのやら。
「意味が分からないぞ。何でいきなりそんな事を聞いてくる」
「.....いえ」
「?」
ますます謎だが。
俺達は考えながら片付けをする。
すると久城は、ゴミを捨ててきます、と話した。
俺は、まあゴミの日だしな、と返事する。
「久城。有難う」
「お礼を言われる様なものでは御座いません。大丈夫ですよ」
「.....そうか」
「あ、終わったらシャワー貸して下さい」
「ブ!?」
し、シャワーだと!?
俺は真っ赤になりながら返事をする。
するとまた胸を隠す仕草をした。
それから、何ですか?いやらしい事を考えていますか?、と話してくる。
冗談を。
通報されてはたまったものではない。
「何もしない」
「まあ中西さんだから大丈夫だとは思いますが」
「俺だから何もしないとは。大丈夫じゃないぞ。男は」
「なんですか?じゃあやっぱり変態ですか?」
面倒くさい。
思いながら苦笑して居ると、中西さんですから、とボソッと声がした気がした。
俺は、何か言ったか?、と聞いてみる。
すると久城は、いえ。何も、と否定した。
「追及は禁止ですよ。女子に対して」
「あ、ああ。そうだな」
「.....中西さんの部屋は埃っぽいです」
「そうだな。すまない」
それから俺達は作業を2時間した。
久城は風呂に入ってから。
埃を落としてから玄関で俺を見てから、では、と挨拶をして帰って行った。
俺はその姿を見送ってから.....部屋を見渡す。
えらく片付いたものだな、と思う。
☆
翌日になったのだが。
インターフォンが鳴る音がするんだが?
土曜日なのになんだよ一体。
思いながら俺は盛大に溜息を吐いてからドアを開ける。
新聞お断り.....。
「やっほー!」
何故か友美が居た。
俺は唖然としながら友美を見る。
友美は爽やかな笑顔になりながら俺を見ている。
何故!?、と思う。
部活は!?
「友美?部活は.....?」
「部活?部活は今日はおやすみ!だからデートしたい!」
「ああ。休みか.....って何?」
「デート」
「.....なっ!?」
私は君が好きだと公表した。
だから私はこれから容赦はしないよ?、と笑顔になる友美。
俺は真っ赤になりながら慌てる。
すると友美はハグをしてきた。
「えへへ」
「おい馬鹿やめろ!?ここはアパートの廊下だぞ!?」
「私は気にしない。キスまでした仲じゃない」
「ウグゥ!」
「私は君が好き。だから気にしない」
友美は言いながらニコッとする。
それから部屋の中を見てから驚く友美。
え?かなり片付いてる、と言いながら、であるが。
俺はその言葉に、あ、ああ。ちょっとな、とコメントする。
すると友美は、???、という感じを見せる。
「誰に片付けてもらったの?」
「え?い、いや。それは.....」
「?」
荒れた部屋を知っている友美が不思議がっている。
俺は汗をかきながら反応していると。
中西さん?、と声がした。
顔を上げるとそこに久城が.....。
うえ!?
「その方は.....」
「.....恭三郎さんや?誰かな?」
「.....」
汗が噴き出る。
それから細い目で友美に俺は見られる。
何か。
久城と付き合っている訳でもない。
何故こんなに汗が出るのだ?
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