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PM 10:50 36号線 廃病院
『rrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!!!!!!!』
この世の物とは思えない雄叫びをあげる。上半身は這いずり、こちらに向かってくる。
そして、口に魔力を溜め、
私たちはそれを避けるが、廃病院は立て状に溶解してしまう。
「とんでもない魔力ね。まさか、ここまで汚染されていたとは」
「あぁ。一行も早く終わらせないと、私たちは愚かこの街が終わるな」
咎人は、もう一度あの光線を放つため、魔力を貯める。私たちは、咎人の
――――――――――――――――
咎人とは、私たち魔術師が間違った方向にいった際の成れの果てである。
魔術師が星に害を与える行動をした際、『
汚染された『
咎人は、体のどこかに、『6』の文字が刻まれる。この『6』は元の人間の罪を意味し、最大3つまで刻まれるが、『6』が一つ増えるごとに罪の深さ、即ち咎人の強さを示している。
魔術院では、この『6』の数毎に討伐に召集する魔術師を増やすことにしている。
奴の場合、この街は愚か、他の2都市での事件も起こしているので、そのつけが今起きてきたことになる。
まぁ、自業自得なので私に言わせればどうでもいいが。
ともかく、咎人と化した魔術師を抹殺するのが私たち魔術師の役目でもあるが、それを食い止めるのが、セシリアの属する『
それほど、咎人が現れると厄介のことになるのだから。
――――――――――――――――
ともかく、早いうちに倒さないと、この街が
私は、皆に首を振るうと、各々が攻撃を開始する。ラスティアは刀を抜くが、咎人は溶解した手で迎え撃つ。
ラスティアはスライドして回避するが、元いた場所は溶けてしまい、小さなクレーターができる。
「なにこれ、かなり高温で、クレーターができるなんて……」
「ああなるまでに汚染した『
ラスティアと明日香は、一撃でクレーターが出来たことにドン引きする。
咎人が体を動かすと、ヘドロが飛び散り、周囲の物が次々と溶ける。
「まずいわね……。これじゃ近づけることなんてできないわ」
高温のヘドロのよって、近づくことすらできない。明日香が上空から銃を撃つが、咎人には効かない。
近づけれないまま、降着していると、咎人は再びあの光線を放つ態勢に入る。
そして、私達を目掛けてもう一度あの光線を放つ。
『rrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!!!!!!!!!!!』
雄叫びを上げたのち、光線を放つ。すると、私とセシリアが魔物たちと戦ってできたクレーターと同じ深さのものが出来る。
対処はないかと考える。ふと、あの光線が放たられる時の動作を思い出す。
口の奥に、何かがあることを思い出す。
「――――――そうか! あそこが、弱点か!」
「ん? 何か思いついたの?」
「あぁ。皆、私が詠唱している間に、奴を惹きつけてくれるか?」
「なるほど。喉の奥に目掛けて魔術を放つわけね」
「なら、それまでの時間稼ぎをすればいいわね」
3人は、囮となるべく、咎人の気を私から遠ざける。そうしている間、私は術式を詠唱する。
早速、セシリアが咎人の注意を引かせるために動く。
「流石に、単騎じゃ高温のせいで近づけれないか」
「凍らせてれば、少しはマシになる?」
「やってみる価値はありそうね。行きましょう」
3人は、何かいい案を思いつく。そしてすぐに行動を起こす。
ラスティアが間合いを詰める。咎人が、ラスティアの向けて攻撃をするが、セシリアが妨害する。
セシリアの妨害によって、咎人の攻撃の軌道が逸れる。
そして、明日香もまた咎人の気を逸らすため、後ろから、銃を向ける。
「効かないのは知ってるけど、気をそらすには十分!」
明日香は、これでもかと銃を乱射する。咎人は、明日香に向けて攻撃を行うが、明日香はそれを避ける。
ラスティアは、鞘に魔力を送り、柄に手を添える。
「――――――――――――ふぅ……」
ラスティアの周囲に、冷気が吹きかける。ラスティアは目を閉じ、魔力を一点に集中させる。
そして、もう一度、咎人がラスティアに攻撃しようとした時だった。
目に留まらぬ速さだ、ラスティアは刀を鞘から抜き、咎人の真後ろに立つ。
「『氷花 居合 壱の方『六花』』! 私の魔具、氷花の前では、灼熱の業火でさえ、凍てつかせる」
ラスティアが、氷花を鞘に収めると、咎人の下半身が凍りつき、六角形に砕ける。
『ggggggggggggggggggg!!!!!!!!!!!!!』
咎人が、もがき出すと、横に倒れる。しかし、すぐに立ち上がり、あの光線を放とうとする。
「させないわよ!」っとセシリアは、空中から蹴りを切れる。すると、咎人は口を閉ざされ、顔が地面に衝突する。
「さぁ! 決めちゃって!!」
明日香の声と共に、私は眼鏡を外し術式を唱える。
私の視界には、術式に必要な詠唱文が可視化される。そして、該当する魔術の詠唱を並べ、術式を唱える。
「『――――――――――――――!!』」
この世には存在しない言語で、術式を唱える。そして、全ての詠唱を唱え終える。
「『星よ そして 理不尽なる欲により散った御霊よ 我が声に追うじ その無念を我が糧となれ
我 星の仇なす物を殲滅せし物 『虹の魔女』の名の下に 愚かなる咎人を撃滅させん』」
私の周囲に、『
「『裁きの時は来た 今ここに 悲痛よ 無念よ 涙となりて 星に仇なす物を 滅ぼさん』」
『
「『グリモワル真書 第4節
私の声と共に、『
その涙は、落ちた瞬間に咎人をそいつがいた場所ごと爆散させる。
『aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!』
咎人は、断末魔を上げながら、その肉片ごと消滅する。
『嫌ダ!! いやだ !! イヤダ!!
シニタク7イ!! 死ぬノハ…………イヤだ!!』
「諦めろ。死にたくないは、お前に殺された人間が使う言葉だ。お前によって、命を奪われた物たちはさぞ苦しかっただろう。
その中には、明るい未来がすぐそこにある者も、家族や大切な人と共に過ごす日々に幸せを感じる者もいた。
お前は、それを奪った。貴様のくだらん欲によってな。それなのに、まだ死にたくないとほざくか。その姿にもなってか!?
いい加減諦めろ。人の命をモルモットとしか感じぬお前に、生きる価値などない。自分の行いに後悔しながら地獄に落ちるがいい」
咎人は、私に叱責を受け、そのまま消えていく。そして、終わったころには、塵一つすら無くなった。
3人は、それを見届け、私の元に近づく。
「今回も、無事に終わったね」
「全く、怒るとやる事が滅茶苦茶なんだから」
「えぇ、全くだわ。相変わらず『グリモワル真書』はとんでもない物ね」
3人は、さっきの光景にドン引きする。
――――――――――――――――
『グリモワル真書』とは、世界最古とされている魔術書である。
著者不明とされており、この世に出てるものはレプリカのみなので、本物の『グリモワル真書』を見たものはいない。
そのレプリカですら、魔術世界では国宝級の代物だが。
――――――――――――――――
ともかく、全てを終えた私達は、帰路に着く。遠くには、やはり捜査一課の連中が来た。
「全く遅いたらありゃしないわよ」
「別にいいんじゃない? それより、腹減った〜。早く帰ろ?」
「そうですね。姉さん、帰ろ?」
「あぁ。行こうか、皆」
ラスティアが、車のエンジンを起動し、それに合わせて私達は車に乗る。
こうして、
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