第4話 魔力測定
翌日、俺は教会で魔力測定をするため、母様に町に連れ出された。町には活気があふれていて、みんな楽しそうだ。
「おお、リリアナ様。お久しぶりです!本日は何を?」
「久しぶりですね。今日は一番下のアリオストが5歳の誕生日を迎えたので、協会に魔力測定をしに行くのです」
「一番下の坊ちゃんが!これはめでたいですなぁ!おぉい!今日は領主様のとこの一番下の坊ちゃんが5歳の誕生日を迎えられたそうだ!!」
「あら、そうなのかい?これはリリアナ様、おめでとうございます!」
「皆さんどうもありがとうございます。この子はアリオスト。わがレグシェル伯爵家の新しい家族です。アーリー、領民の皆さんに挨拶なさい」
「はい、母様。皆様初めまして。僕はアリオスト・レグシェルと申します。この度5歳になりました。これからよろしくお願いします」
ぺこり。
「こりゃあ驚いた。ずいぶんしっかりしている坊ちゃんですなぁ」
「そうでしょう。この子はたまにとても大人びた一面を見せるのです」
ぎくり。すみません心はもう成人済みなんです。ばれないようにしないと…
「そ、そんなことないですよ、母様ぁ」
「そう?まあいいわ。では皆様、私たちはこれで」
「またいらっしゃっててくださいね!」
いい街だったな。みんな楽しそうで。
歩き始めて少ししたら、きれいな建物が見えてきた。あれかな、なんかThe・協会って感じ。
「着きましたよ、ここが協会です。入りましょうか」
中に入って最初に見えたのは、大きな像だった。あれは…
「あの石像の御方が創造神ディオバルト様よ」
右手に杯を持った男神の姿だ。すごくかっこいい。
「おや、リリアナ様ではありませんか。ご無沙汰しております。本日はアリオスト様の魔力測定ですかな?」
像を眺めていると、奥のほうから優しそうなおじいちゃんが出てきた。
「お久しぶりです神父様。流石ですね。ええ。今日はこの子の魔力測定をしに参りました」
この人は協会の神父様だったのか。
「アリオストです。今日はよろしくお願いします」
「これはご丁寧に。宜しくお願い致します…では早速測定を始めましょうかアリオスト様はこちらに…」
俺は石像の下にある水晶の前へ連れていかれた。
「それでは、アリオスト様はこちらの水晶に手をかざしてみてください。火属性に適正があれば赤、水属性に適正があれば青、風属性に適正があれば緑、土属性に適正があれば黄色、光属性に適正があれば金色に、闇属性に適正があれば黒色に、今言った順に適正の数だけ水晶が光ります。」
ふむふむ。母様は他属性は珍しいと言っていたな。どうなってしまうのか…
「魔力量については、多ければ多いほど強く光ります。数値化されるわけではないので、ご注意ください。測定が終わりましたら、魔力を感じ取れるようになっていますので、適正のあった属性の初級魔法を使っていただきます」
初級魔法…魔法には等級があるのか。
「最後に、魔力測定が終わると、ステータスプレートというものが見えるようになります。これは基本は自分だけがみられるもので、任意で他人に見せることができます。これについてはリリアナ様...あなたの母君のほうが詳しいかもしれませんな…それでは測定を始めていきましょう」
俺は水晶に手をかざした。すると、水晶は光った。白色に。とても強く。
…どういうことだ!?白色の光なんて 説明になかっただろ!?…まさか無属性だなんて言わないよな!?
「これは…!?」
その時。
パリィィィィィン!!!!!
「うわぁ!?」
大きな音を立てて水晶が割れた。
「アーリー!!大丈夫!?」
「か、母様。少し驚きましたが、大丈夫です」
「っ!アリオスト様、大丈夫ですか!?」
神父様ははっとしたように声を上げた。
「まさか、水晶が割れるなんて…一体その体の中に、どれほどの魔力を持っているのですか!?それに、先ほどの光の色は…!」
「え、っと…」
「神父様、それくらいにしてやってくださいな。アーリーも動揺しているのです……しかし、これはやはり...」
「あ、あぁ。これは失礼いたしました。どうかお許しを...一先ず、これで魔力測定は終了です。魔法の練習、頑張ってください。アリオスト・レグシェル様に創造神ディオバルトの加護があらんことを…」
「あ、ありがとうございました...」
そっか、俺、魔力量すごいんだ...そりゃそうか。あんだけ魔法の練習してたんだから。
いろいろあったが、教会を後にした俺と母様は、屋敷に帰った。
「おかえり、アーリー、リリー」
「ただいま帰りました。父様」
家に着くと父様が出迎えてくれたので、中に入ると、
「「「アーリー、誕生日おめでとう!!」」」
「うわぁぁぁ!!!!すごい!すごいです!」
先ほどまでのもやもやは、一気に消え去った。
屋敷はきれいに飾り付けられ、机の上にはたくさんの料理が並んでいた。
「今日は記念すべきアリオストの5歳の誕生日だからな。去年までよりも盛大にやることにしたのだ!」
「あはは。ありがとうございます、父様。とってもうれしいです!それにしてもすごいですねぇ…」
「アーリー、誕生日おめでとう。お前が生まれてきた時のことを、昨日のように思い出す。大きくなったな」
「ありがとうございます、ロー兄様。もっと大きくなって見せますね!」
「誕生日おめでとうございます、アーリー。僕は今年からですが、アーリーと一緒に通うのが楽しみです。早く学院に来てくださいね」
「ありがとうございますビス兄様。はい、僕も楽しみです!」
「最後は私ね。アーリー誕生日おめでとう。今年からは魔法や剣術の練習が始まります。あなたなら、うまくやれるでしょう。精一杯、頑張るのですよ」
「ありがとうございます。母様。頑張ります!」
そうして俺たちは、パーティーを大いに楽しんだ。
次の日。いつものように座学を終えると、早々に稽古が始まった。
剣術と魔法の稽古を交互にやる予定で、今日は剣術だ。
「よろしくお願いします、父様」
「うむ。まずは剣術の基本、素振りをしてみようか」
「はい!」
そうして素振りを始めてから、どれくらいたっただろうか。
「ハァ、ハァ。と、父様?い、いつまで、素振りを、続ければ、良いので、しょうか?」
息も絶え絶えにそう聞くと、
「うん?まだ30分ほどしかたっていないぞ?もうギブアップか?ふむ、想像より体力がないようだな…ならば…」
まだ30分!?どれだけやるつもりだ!?そんでもってなんか嫌な予感が…
「これからは朝起きたら屋敷の周りを何周か走ると良い。体力がつくぞ。最初はそうだな…3周ぐらいから始めようか」
へ、へぇ~。屋敷の周りを3周かぁ...いやいや、屋敷めちゃくちゃ大きいんですけど!?その周りを3周って鬼畜かよ!
「今日は素振りを終わって一度走り込みをしよう。さぁ、行くぞ!」
そう言うと、父様はさっさと走って行ってしまった。
「へ!?ちょ、待ってください、父様ぁぁぁ!!」
その日、地獄ともいえる稽古をなんとか終えた俺は、ベッドに倒れこむのだった...
翌朝、父様に起こされた俺は、走り込みをした。寝起きにこれはきついよ…よく頑張った俺!
ヘトヘトの状態で座学を終えた俺は、午後からの魔法の稽古に挑むのだった…
―屋敷の庭にて―
「さぁ、稽古を始めるわよ!」
「はい、よろしくお願いします…」
「ふふふ、疲れているわね。さて…稽古を始める前に、大事な話があります。
…アーリー。いえ、貴方は、どこの誰かしら?」
―――――――――――――――――
作者です。
父様キチクッ!母様スルドイッ!
すわ、シリアスか!?と思ったそこのあなた!残念ながら(?)作者はシリアス苦手なので、この作品にシリアス感は期待しないでください。軽ーいシリアスからのコメディはあるかもです。
次回:チートだぁ( ̄∇ ̄;)ハハハッ
またお会いしましょう。ではでは~
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