終章 二年後
第33話
『甲子園十二日目。準々決勝第二試合。さあ、全国の高校野球ファンが注目する一戦がいま始まります。
解説には
『はい。こちらこそ、よろしくお願いします』
『実況はわたくし、
『ええ、そうですね。夏の甲子園で福岡から二校はありませんから』
『百回記念大会ということで、今年、福岡からは二校が甲子園に出場しております。そしてこの選手権大会準々決勝、福岡北部大会を勝ち上がってきた
『すごいですよね、どちらもベスト
『そうですねえ。いまカメラに映っておりますのが、プロ注目、高校ナンバーワン
『すごいのが打撃以上に守備が評価されていることですね。間違いなく飛び抜けた選手と言えます』
『そうなんですよねぇ。いちばんの売りが打撃じゃないんですよね』
『そうなんです。とくに小南君と
『ええ。これまでの三試合でも素晴らしいプレーで見る者を魅了してきました。福岡南高校は三年生が五人しかいないチームなんですが、ちゃんとその五人がチームを引っ張ってるんですよね』
『そうなんですよ。やっぱり、センターラインがきっちり固まっているので、守備にグッと締まりがありますね』
『そうですねぇ。この試合の注目ポイントとしてはやはり、両校エースの投げ合い、ということになるでしょうか?』
『そうなると思います。
『なるほど。ちなみに三回戦、西国大付属の松原投手は、春の地方大会で敗戦を喫した怪物
『いや、素晴らしいの一言ですよ。今日はどちらの打線も、少ないチャンスをものにしなければならないでしょうね』
『ありがとうございます。さあ、それではいま、球審の試合開始の合図がかかりました。
甲子園準々決勝第二試合、西日本国際大学付属対福岡南、プレーボールです!』
空っぽの迷子 森高実 @moritaka_minoru
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