第25章 シャークカッター

医者の神田かんだは黙ったまま、天を見上げた。


あぁ、ここで終わるのか、、、


廊下の隅まで追い詰められていた。

絶体絶命、この言葉しか思いつかない。


もの凄いスピードで化け物Bが突っ込んでくる。

もう逃げる場所はなかった。


するどい牙で、神田かんだの頭に喰らいつく。

頭骸骨が割れる音が聞こえた。。。。


ゴツン。バキッ、、、バキバキ、、、



化け物B・鮫斬シャークカッターは旨そうに血を体に注ぎ込んだ。

すると体にあった緑色の線が赤く変わる。



次の獲物を探すかように鼻を動かす。

3階の窓から【中庭】を見回すとそこにはえんじしあんがいた。

そこにもえぎ姿はない。


窓ガラスを突き破り、1階【中庭】へ降り立つ。


雄叫びをあげる鮫斬シャークカッターは、なにやら威嚇してるかのように見えた。

すぐには襲わず、様子を見ている。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


その数時間前、、、、



えんじ達は【体育館】にいた。

足元は血だまりがあり、靴は真っ赤に染まった。

【体育館】の隅から、音が聞こえる。


中川達が対峙していた、鮫斬シャークカッターより

一回り小さい化け物・鮫斬シャークカッターが顔を出す。

口から血を垂れ流し、鎌は固まった血がこびり付いていた。


しあんが2人に話しかける。

「俺が、まずアイツをお前らから逃がす、お前らは逃げろ」

「そんな事言わずに一緒に逃げようよ」

「わかってくれえんじもう3人で生き残るのは無理だ、誰かが犠牲にならないと、、」

「おぃしあん、俺も最後までいるぞ。おれらは双子で2人で1人だろ」

しあんにい、もえぎにい、今なら走れば逃げれないかな・・・」

「無理だな、、、」

「化け物が来るぞ!」


まずターゲットにしたのしあんだ。

鮫斬シャークカッターは走り出し、鎌を構える。

鎌を振り下げる。


しあんは体をずらして紙一重で、鎌から逃れる。

鮫斬シャークカッターの足に蹴りを入れるが、手ごたえはなかった。


「おぉ、やるんじゃんしあん、蹴りまで入れるなんて。俺もいくぞ」

「バカ!逃げろ!こっち来るな」

「お前だけ見せ場作らせるかよ!喰らえーーーー」

もえぎは転がっていた鉄バットで鮫斬シャークカッターの背中を叩く。


まったくダメージはなく、何もなかったようにしあんだけを見る鮫斬シャークカッター


「おぃ無視かよ、いい度胸じゃねぇか」


「危ない!もえぎにぃ!!!!!!!!」



グッサ・・・・・

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