第21話 ピックフェイス

中川なかがわがさすまたで化け物を押さえてるうちに

逃げる子供達、その中にもえんじ達もいる。


しあんがつぶやく。

「廊下に血が滴ってるね、これはひどい、えんじあまり血を見るなよって言いたいがこれは無理だな」


するともえぎが話しかける。

「血で滑って転ぶなよ、とりあえず2階へ行こうか」


階段付近に来た時にそこで看護師見習いの金髪ギャルの大崎おおさき みると医者の神田かんだと会う。


神田かんだが驚きながら、えんじ達に話かける。

「よかった。まだ生きててくれて。ケガはないようだね」

大崎おおさきが焦りながら話す。

神田かんだっち、ここでまったり話す場合ではないよー」

いつの間にか大崎おおさき神田かんだに(っち)をつけるようになっていた。


「そうだな、しかし化け物がどこにいるのか、わからない以上うかつに動けないな」


しあんがわりと大きな声で

「この3階、、向こうで中川なかがわさんが化け物を押さえてます、いまのうち下に降りましょう」

「なんだって、いま中川なかがわさんを助けに行くから大崎おおさきさんと子供たちは先に下へ行ってくれ」

「危ないよう、神田っち、一緒に行こう」

「いや、ここで中川なかがわさんを失うわけにはいかない」

神田かんだは言い残すと、しあんが指さす方向へと走り出した。


残った大崎おおさきを先頭に下へ降りる。

上の階から怒鳴り声が聞こえた。

「来るなーーーー」

中川なかがわが叫んでいる。


怯える子供達。

大崎おおさきは口に指を当てるとシーっと人差し指を立てた。

いま2階へと降りたところで、ペタペタと足跡が聞こえる。

緊張が走る。


・・・


降りた二階のすみにいた。ソレはいたのだ。

よつんばで動くソレの顔はえんじ達の目にはまだ、うつらない。

ソレにも気がつかれてないようだ。


大崎おおさきはジェスチャーで動くなと合図する。

固まる一同。

しかし、一番後ろにいたえんじは気がつかず前にいた子供の背中を押してしまう。

押された少年が驚いたからか、大きな声が出てしまう。

「おぃ押すな、危ない」


奥にいたよつんばの化け物は反応して、大崎おおさきを見る。

豚のようなフォルムをした豚面人ピッグフェイス大崎おおさきめがけて走り出した。


突進に気がついて大崎おおさきは避ける事は出来たが後ろに少女がいてためらう。

「私の後ろから離れて!!」


急いで離れる子供達。


——ガン!ボキッ


えんじ達の目の前で大崎おおさきが飛ばされる。


それはほんの数秒の出来事だった、、、


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