第19話 化け物

この半年で中川なかがわの元へ情報が入ってくる。


えんじが話したように、目の前で亡くなった人が黒い影に飲まれるように、消える。

残るのは人の黒い跡のみだ。

そして、日本政府がまったく機能してない事。

噂では、どこかに政治家などは事前に避難してたみたい。



【体育館】で食事をしているえんじ達3人は

毎週日曜日の昼カレーを食べ終えていた。

「にぃちゃん、トイレに行きたいー」

「ったく。一人でいけよな、おいしあんもいこうぜ」

「行くかー」


トイレは【体育館】から少し離れた場所にある。【中庭】の隅っこに設置していた。

男性4女性6共有2で簡易トイレがある。

「大だから、時間かかるよー」

えんじが言うと

しあんもえぎも同時に「俺もー」


10分経過しただろうか、それくらい経った。

【外庭】の方から悲鳴が聞こえた。

「きゃーーーー」

「なんだーーーーーあいつらは、、、」

「体育館へ逃げろーーーー」


もえぎが先にトイレから出る。

「まじかよ、なんだアレは動いてこっち来てる!」

ドンドン

「はやく出ろーーけつふけーー」

「何事だよ、もえぎ、、って何事?みんな【体育館】へ逃げてるぞ」

「おい、えんじやべぇぞ、まじで早くしろ」急いでトイレからでたえんじは【外庭】にいる化け物が目に入る。段々近づく化け物。


それは、二足歩行、手はカマキリみたいに鋭利で顔はサメみたいに尖がっており鋭い歯が見える。

身体の色は暗めの緑色。手先の鋭い刃は赤く染まっていた。


【体育館】の二階から中川なかがわが叫ぶ

「おい、人を襲ってるぞ!しあん君たち、はやく上へ逃げるんだ」


3人は急いで学校の校舎に逃げ込む。

そして3階の窓から中庭を覗くと、化け物は【体育館】の扉を切り刻むところだ。

しあんが逃げてーと叫ぶが届いたのかはわからない。


化け物は【体育館】へと入り

ただ叫び声だけが、3階へ響いていた。

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