第16話 探索

リュックサックに食べ物と水を入れてえんじは兄のあとを追いかけ城南中学校を出る。


「待ってよーお兄ちゃんー10時に出発じゃないの?」

もえぎがどや顔で歩きながら

「10分前行動って知ってるか?まだまだえんじはお子ちゃまだから、知らないかー」

すかさずしあんが突っ込む。

「いやいや昨日、それ鴨下鴨下さんに大人は10分前行動はマナーとか、教わったからでしょ?」

「そ、そんな事ねぇし」

「本当かよーもえぎまぁ、いいけど。今日は歩いて塔方面に行こうぜ」

「あー窓からは塔はハッキリ見えたし、その方向に進めばいいっしょ」

最後にもえぎが話すと、3人は塔方面の坂を下った。


塔は街方面にあるので坂を下ると環八に出る。あの大通りだ。

えんじは相変わらず、フードをかぶりながら歩道を歩く。

すると、しあん

えんじ、フード被ってたら視界狭くて転ぶなよなー」

「大丈夫、足元は見えるから。それより人が全然いないね」

「そうだなー、自宅避難してる人も沢山いるから、みんな部屋にいるのかもな」



1時間くらい歩いた。

「もうすぐ川に出るぞ、もえぎえんじ、疲れたから少し休もうか」

3人は川の土手に座り込んだ。


「ピーピーピー」

「あれ?どこからか笛の音聞こえない?」

えんじが笛の音に気がつく。


「向こうからだ、行こう」

もえぎが走り出す。そのあとは追いかける2人。


「ピーピーピー」

音が大きくなる。


もえぎが質問する

「この家からだ、どうする?入る?」

ついた場所は、土手から少し離れた住宅街の一角。

昔から住んでる人が多そうな、年季の入った住宅前にたつ3人。

しあんが口をあける。

「よし、行こう、誰か困ってるのかも知れない、お邪魔しますよー」


カギは開いてる。玄関から家へ入る。


3人は恐る恐る、笛のなる方へ進む。声を出す3人。

「だれかいませんかー?」

「お邪魔してますー」

「おーい」


奥へと進むとリビングに出た。窓からは光が差している。


そこで目の前に、現れたのは、、、




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