第12話  接触

駅ビルの地下には、お惣菜店とスーパーがあるの工藤くどうは知っている。

鴨下かもしたはん、地下に行きますかいのー」

「そうですね、スーパーで食べ物があるか確認しましょうか」

「お惣菜店はあまり期待できないからのー、スーパーで缶詰でも探すかのう」


駅ビルに入ると、止まったままのエスカレーターで地下へ降りる。

地下は薄暗く、ポケットからライト取り出し、スイッチを入れる2人。

「足元に気を付けてて進みましょう」

「棚が倒れたり、ここもガラスが散乱してるのうー」

「どこら辺から食料品コーナーですか?」

「そこを右にまわって少し行けばあるのうー、先に進むぞ」

「ちょっと待ってください、これは・・・」


ライトであたりを照らすと、空の弁当やプラスチックパックと唐揚げとポテトがちらかってる。

そして、食べかけのオニギリが床に落ちていた。


「まだ他に生存者がいて、先客が来たみたいですね。とりあえず先を急ぎましょうか」

「おぃ、誰かいるぞ」

工藤くどうは反射的に右手をこぶしにして構える。


そこには3人組の男女がいた。1人の男性が話しかける。

「誰だ、あなたたちは?そんな警戒しなくても何もしないさ」


工藤くどうが答えようとしたが、先に鴨下かもしたが答える。

「私たちは城南中学校に避難してる者で、駅がどうなってるの見に来たんです、あなた達は?」

「俺たちも似たようなものさ、ここを拠点に動いてる」

「なるほど、私たちと一緒に行きませんか?すこし遠いですが、、、」

「遠慮しとくよ、他にもメンバーはいるし、あまり人が多いのは苦手なのさ」


それから何度か説得したが、彼らは応じることはなかった。


「あの、少し食料をこちらのスーパーで探させてもらえませんか?」

鴨下かもしたが姿勢を低くしていう。


「悪いが、ここらへんのは我々のだ、他をあたってくれ、、すまないな」

工藤くどうも横から口を出す、。

「にぃさん、缶詰でも少しわけてくれへんか?」

「ダメなものはダメなんだ、他をあたってくれ」


鴨下かもした工藤くどうは目を合わせると肩を落としその場を後にした。



駅ビルを出ると外にいたメンバーに、さきほどあった事を話した。

すると大崎おおさきが髪を触りながら

「ケチだなぁ、少しくらいくれても良いのにねー」

「まぁ、みんな今は自分のことで必死なんですよ」

神田かんだ大崎おおさきをなだめた。


「収穫はあまりありませんでしたが、今日は戻りましょうか」

鴨下かもした達は、とめたバスまで歩いて城南中学校に戻るのであった。

























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