理事長就任
サーナス学院の設立が決まってふた月ほど経った。
この日アルスはセシルと共にスパムの街を訪れた。
大臣業務のため、普段サルサにいるため久しぶりに国鉄サーナス線を利用して帰ってきた。
所要時間は2時間半。
近くなったなと感じる。
ただ帰ってきた訳では無い。新事業サーナス学院の建設予定地に向かうためだ。
アルスはサーナス学院を運営するサーナス学園の理事長に就任することとなった。開校までの期間、校舎の建設や教員集め、生徒の募集活動などさまざまなことをしなければならない。それも大臣の業務と並行してである。
建設予定地は国鉄サーナス線のターミナル駅であるスパム駅から徒歩10分という好立地だ。
近くには商店が立ち並ぶ商業地とも近く学生生活を送る上で不便のない場所であった。
「ここか…かなり広いし、いい場所じゃないか!」
アルスは現場を見て納得する。
サーナス学院の建設予定地は広さで言うとサッカーコート10面ほどある土地であった。
「よくこんな土地があったな…」
そんなことを考えているとセシルが説明をしてくれた。
「アルス様、このエリアは元々駅ができるまで何も無い場所だったのです。」
「えっ、そうだったの!!もしかして近くに出来た商店は…」
「はい、駅の開業とともに商業地域が広がったためできたものになります…」
「鉄道って…すごいんだね…」
アルスは改めて鉄道の凄さを実感した。
「ところでアルス様、校舎の建設についてですがいかが致しましょうか?こちらで全て手配してもよろしいですか?」
「ちょっと待って、実は校舎の建築図は僕が既に作ったんだ!」
「もう作られてたとは…」
セシルはアルスの行動力に驚かされた。
「セシル、今回の校舎建設はすごく短い期間で終えたい。春には開校したいからね。」
「承知しました。では、今回は魔法を使って建設されるのですね。」
「そういうことになるね。セシルの方で手配を頼むよ。あ、あとそれに伴って建設責任者はセシルにお願いしようと思う。」
「わ、私ですか!?」
「嫌かな?」
「いえ、責任をもってやらせて頂きます。」
こうして校舎の建設はセシルに一任することにした。
アルスとして仕事がひとつ減ったと言える。
残りは教員集めと生徒の募集活動である。
「教員集めはおじい様に動いてもらった方が集めやすいし…あとは生徒の募集活動か…」
そうこう考えているとセシルが口を開いた。
「アルス様、そろそろ王都に戻らねばなりません。今日の夜はユース商会のシリル様とアンナ様とのお約束がございます。」
「そうだった急いで戻らないとね。ユース商会の2人とは久しぶりだな……………そうだ!いいこと考えた!!」
「アルス様、なにか閃かれたのですね!」
「うん!セシル、急いで王都に戻ろうか!」
「はい、承知しました。」
アルスとセシルは急いで王都に戻るため駅へ向かった。
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