学園設立

ターナ侯爵が屋敷を出た数時間後サノスが帰ってきた。

サノスが帰っきてまずルナとターナ侯爵が仲直りしたことを報告した。


「そうか…ついに仲直りしたのか。アルスご苦労だった。」


「はい!」


アルスは笑顔で返事をした。

そしてターナ侯爵と話したサーナス学院の話をサノスにした。


「父様、実はターナ教育大臣から相談を受けまして、新たな教育機関を設立したいと。その実証実験をサーナス侯爵家でしたいと考えています。」


「新たな教育機関…王立学園の他にということか…」


「そうですね、どちらというと王立学園に入るための学校と言った方がいいですね。僕と教育大臣が考えているのは誰もが学べる学校です。」


「なるほど、王立学園に入学する学力があれば十分だ…」


「ちなみに無償で学べる学校です。」


「なんだって!」


サノスは驚く。

当然だろう、この世界では教育はお金をかけてでも受けたい貴重なもの。それを無償で受けるというアルスの発想はサノスとしては衝撃だった。


「アルス、無償と言うがその財源はどこから出すのかな?」


サノスの疑問は当然だ。サーナス家でまず運営するからだ。


「財源は教育庁、僕の私財から先ずは出す予定です。後日、ノスタ財務大臣にも支援を求めに行きます。財務庁は今国鉄でかなり潤っていますから…」


「お、しっかりと考えているようだな…わかった、サーナス侯爵家として行う事業だ、アルスは手出しをしなくてよい。」


「よいのですか!?」


「お前は伯爵位をいただいているが次期サーナス侯爵だ。そんなお前が考えたことを応援しない訳にはいかない…国鉄サーナス線で我が家、領地は以前に増して賑わっている。そのくらいの負担は痛くもないからな!」


「父様…ありがとうございます!!」


サノスはアルスの新事業を認めることにした。


「父様、まずは教育機関を運営する学園を設立したいと考えています。サーナス学園でいこうと思いますがどうでしょうか。」


「サーナス学園か…良いと思うぞ。」


「では、新たな教育機関はこのサーナス学園で運営をします。そして新たな教育機関ですがサーナス学院にしたいと思います。」



「うむ、アルスに任せる。」


「ありがとうございます。続いてサーナス学院の概要です。サーナス学院は10歳~16歳を対象とします。」


「かなり幅広いな…」


「はい、6年制の学校です。1年ごとに学ぶ内容を決めて学習していき、平等に学べるようにしていきます。この他の詳しい事は今後サーナス学園でまとめていく予定です。」


「なるほど、わかった。ではまずサーナス学園の設立だな。どこに建てる予定なのか?」


「領都の1番開けた場所がいいですね…学院と併設するのでかなり広い場所がいいです。」


「わかった、セシルに探すように言っておこう。」


こうして学園が設立されることとなった。

因みに後日、財務庁からの支援も受けられることとなった。



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