第23話 あり得ない事が起こった

北川尋とサリアが交際するようになり数ヶ月が経ったある日


サリアはニルヴァーナとリンダリアの元を尋ねて2人に相談をしていた


「それって本当なの?」


「あり得ないわ…だって」


「そうなんですよ…神様にもそう言われていたので…」


ニルヴァーナとリンダリアは困った様子で悩み出した


「ここは病気になる事が無いから医者をしてる人が居ないのよね」


「神様に報告した方が良さそうですね」


3人は神様がいるこじんまりとした神殿に向かった


椅子にだらしない格好でくつろいでいる神様はモニターを眺めながら菓子を頬張っていた


「神様〜お客様ですよ」


「ん?おやどうしたんだ?あの3人が一緒に来るなんて珍しいね」


椅子から降りて客間に向かった神様は驚きの報告を受けるのだった



「何だって?あり得ないだろ…マジかよ!」


「私達も驚いている所です…調べて貰えませんか?」


神様はサリアの身体を調べ始めた


「まさかと思ったけど本当みたいだね…これはあの世の根底を覆す大事件だよ!」


その夜神様と3人は極楽亭に来ていた


「お揃いで来るなんて珍しいですね?何かあったのですか?」


「うん…実は大変な事態が起こってね…仕事が終わったら話せないかな?」


「わかりました…なるべく早く終わらせるようにしますからそれまでお食事しながら待ってて下さい」



数時間後…極楽亭にcloseの看板が掲げられた



「え?何ですって!本当ですか?」


「うん…あり得ない事何だけど本当みたいだよ」


「ここは死者の世界なのに起こる事が無いはずの事が起こってしまったんだ…おそらく君が別の世界から来た影響だろうね」


「マジかよ…」


尋は戸惑いと喜びの表情を浮かべている



何故ならサリアが尋の子供を孕ったからだった



「妊娠しないから何しても良いって聞いていたのにね」


「まさかだよね〜僕も驚いているんだ…前例が無いんだからね」



そして数ヶ月後


尋とサリアの間には男の子が産まれた


死者の世界で産まれた初めての子供だった



そしてその後、諭とレジーナの間にも女の子が産まれるのだった



2組の家族は計らずしも死者の世界で有名人になるのだった




尋とサリアの息子と諭とレジーナの娘が結婚するのは約20年後の事になるのだがその話はまたの機会にする事にしよう




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