第22話 ジプシー風姉弟の仕事

「そういや2人はどんな仕事してるんだ?ここでは働かないと魂を消されると聞いたが…」



「俺たちか?諭の世界にあるかはわからないが気になるなら今からついて来るか?」


「へ?」


「丁度この後仕事なんだ…諭が良ければついて来いよ」


「なら尋に遅れるかもしれないと連絡をしたいんだけど…」


「それならやっといてやるよ…少し待ってろ」


ルシードはタブレットのようなものを取り出して何やら操作し始めた


すると空中に画面が現れて何やら映像が映し出された


「お?こいつか?尋って奴は?」


そこに映し出されたのは歯磨きをしているパジャマ姿の尋だった


「こいつもなかなか良い男じゃねぇか…」


「やめといてやれよ…コイツには彼女が居るからな」


「そうなのか…そりゃ残念だ。俺は人のモノに手ェ出す趣味は無いからな」


「画面に向かって話しかけてみろ…会話が出来るからよ」


「これってテレビ電話のようなモノなのか?けっこう便利だな」


「ほら…早くしてくれよ…コイツは電気を食うから手短に頼むな」


ルシードに急かされて諭は尋に事の次第を伝えた


連絡が済むと身支度を整えて外へ出た



眩しい光が辺りを照らしてる


この世界にも太陽とかあるのかな?

などと諭は思った


ボーッと考え事をしているとレミーナに声をかけられた


「着いたわよ諭?」


「ああ…悪りぃ考え事してたよ」



ルシードは何処からともなく剣を手にしていた


レミーナは手甲を付けて構えている


「危ないから諭は少し離れていてくれ」



何が起こるのかわからない諭は2人の指示に従った



するとルシードとレミーナの目の前に邪悪な気配を纏った何かが現れた


ルシードはすかさずそれを剣で一刀両断にしていく


レミーナは手甲で殴ったり蹴りを入れて一蹴していく


あっという間に敵らしきモノ達を蹴散らした2人は何やら拾い集めている


「さて一仕事終わったぜ〜」


「凄いな…所でアレは何なんだ?」


「ん?アレか?邪気を纏った魔物だよ…稀にこの辺りにも現れて土地を荒らすんだ…俺達はそれを駆除して回ってるのさ」


「アイツらのコアを集めて報酬に換えてるのよ」


2人が拾い集めていたのは魔物のコアだったようだ


この世界の通貨は主に銀貨のようだ


紙幣は無いらしくて代わりにカード状のものがあるらしい


それも色によって値段が変わるらしい


白だと銀貨10枚と同じ価値で青だと銀貨100枚、赤だと銀貨1000枚といった具合だ


そして銅製だと1万枚で銀製だと10万枚、金製なら100万枚の価値になるようだ


そして滅多に目にしないのが黒いカードで1,000万枚の価値があるらしい


何だかクレジットカードのランクみたいだなぁと思っている諭だった



彼等が手に入れたのは赤いカードだった



「けっこう儲けたな…これで諭の店で飯食おうぜ!」



「極楽亭は俺の店じゃ無くて尋の店な!」




その日はルシードとレミーナは極楽亭で食事を楽しんだ


仕事の途中で諭も交えて色々な話に花が咲くのだった




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