第21話 諭 バイセクシャルに目覚める

ある日 仕事を終えた錦野諭は飲み屋街をぶらついてた


良い匂いに釣られて入った店はこじんまりとしていた


席に着くと店のおすすめを注文した


スパイシーな香りのするエスニック料理のようなもので何の肉かわからないが大きめに切ってあって野菜と共に炒めたもののようだ


恐る恐る一口頬張るとパンチのある辛さとほんのり甘みが口いっぱいに広がる


美味い…肉は適度に歯応えがあって野菜のシャキシャキした食感と相まってたまらない


おすすめの酒は少し辛口でキリッとしていて飲みごたえがあった


「はぁ〜たまらん…」


思わずそう呟いた


美味い肴と酒を嗜んでほろ酔いで良い気分になった


すると近くの席に座ってた男女がやって来て一緒に飲まないかと誘われた


特に断る理由も無かったので相席して一緒に飲む事にした


「兄ちゃんドラゴン肉とバルモラの炒めを頼むなんて通だなぁ…」


「え?これがドラゴン肉なのか?初めて食べたけど美味しいものなんだな」


「何?あんた何処の出身だ?その歳でドラゴン肉食べた事無いなんてよぉ」


ドラゴン肉ってそんなにポピュラーな食材なのか?


「俺の住む世界にはドラゴンなんて存在すらしないからね…」


「はぁ?ドラゴンの居ない世界なんてあるのか?一体何処から来たんだあんた?」


不思議そうな顔をする男女2人組は顔を見合わせている


諭は酔った勢いで自分が異世界から来た事などを話してしまった


諭の話に驚きを隠せない2人は戸惑いを隠しきれずにいた


しまったと思った諭は支払いをして店を後にしようとした。しかし…


「あんた…これじゃ足りないよ」


持ってる金では足りずに困り果てていた


「残りは俺達が払うから…それで良いだろマスター?」


「ルシードとレミーナか…仕方ないな…今回だけだからな」


さっきの2人組が残りの支払いを引き受けてくれた


「何で…」


「あんたに興味が湧いたからだよ…この後用事はあるかい?」


ルシードと言う男にそう聞かれた諭はこの雰囲気だと断れないと思って特に用事は無いと告げた


「なら私達の家で飲まない?もっと貴方の話を聞きたいわ」


レミーナと言う女性は色っぽい仕草をして誘うようなそぶりを見せた


よく見ると浅黒い肌をしてジプシー風の美人だ


ルシードも同じような浅黒い肌でとても強そうだ


観念した諭は2人の家で一緒に飲む事にした



酒を酌み交わしながら地球の話をすると2人は食い入るように聞き入った


そして色々と質問攻めされるのだった



そしていつのまにか眠っていたらしく目を覚ますと朝になっていた


「ん?何だかスースーするなぁ…」


気がつくと諭は全裸で寝ていたようだ


部屋を見回すとルシードとレミーナも全裸で寝ているでは無いか!


一体何があったか二日酔いで思い出せない


とりあえず服を着て顔を洗う事にした


顔を洗ってるとルシードが裸のままやって来た


「何だ…起きてたのか…昨夜は久しぶりに楽しめて良かったぜ…お前はあっちの具合も最高だったしな!」


「????」


諭は何のことか分からずに混乱してるとレミーナもやって来てこう告げた


「昨夜の貴方って凄かったわ〜久しぶりに燃えちゃった♡」


うっとりした表情でそう言われて諭は昨夜あったことを思い出した


酔った勢いでレミーナと性交渉してその後にルシードとも性交渉をしていた事を…


諭の顔はみるみる青ざめていく


「何だ?そういやお前…男とやるの初めてだって言ってたな…」


諭は混乱しているのか2人にこう聞いてみた


「君達2人はどんな関係なんだ?」


「え?言ってなかったっけ?双子の姉と弟だって?」


双子の姉弟だと?!


「それより昨夜の続きしようぜ〜諭はレミーナを攻めて俺は後ろから諭を攻めるからよ〜♡」


こうして諭は強制的に初めて3Pする事になってしまうのだった


思い描いていたのとは違う形で…



そして事が終わった後でこう呟いた


「思っていたのと違ったけど悪くないな…」


錦野諭は新たな扉を開いてしまったのだった



その日 仕事をしている諭は明らかに吹っ切れた様子だったのは言うまでも無いだろう




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