黄昏の街

　時代は近未来。人類の活動範囲は宇宙に広がり、地球は急速に過去の存在になりつつあった。温暖化が進み、水没していく地球の国々は宇宙に対して閉鎖的になっている。日本だけが、宇宙の各開拓惑星との関係を保っていた。
　舞台は新東京シティ。東京湾を埋め立てて造られたこの街には地球唯一の軌道エレベーターが存在している。宇宙とのパイプを独占したこの街は繁栄を極めていた。だが、貧富の差は現代以上に拡大している。スラム化したエリアでは犯罪が多発していた。
　この時代はロボテックスーツ（ＲＳ）と呼ばれる倍力服がポピュラーな存在となっている。かつては魔法の鎧、夢の産物だった代物も、警護や土木作業、介護の分野にまで、幅広く普及されている。そして犯罪者もＲＳを利用し、更にこの街の犯罪率を増大させていた。
　最新鋭の戦…続きを読む