第38話 近づいて縁結び

「あはようじゃな、みけぇ!!」

とっとっとっ、と小走りにダイブしてくる小動物。

「エルフ様おはよう、ございます、朝の五時ですかあ」

「もう働いている使用人もいるぞ」

「起きます。せめて起きます!すみませんでした!」

うん、よしよし。美男子になり、耳飾りを揺らしてときめく笑顔であたま撫で撫で。

「神獣様、どうして姿をころころ変えるんですか」

「美しいだろう?!」

「はい!」

「だからだ!」

「眼福です!」

「あと、コーラルとメアリーとダンに言い寄っていた魔は祓っておいた!」

「コクヨウを攻め落とせぬと考えた魔が悪さしておった。時を最小限にあやつらに寄り添わせ、時の縁結びをしてみた。我ながら、天・才。どちらかが、だれかが魔に引き寄せられそうなら他のものが一緒にいてくれる。そんな愛の縮図を描いた。わし、偉い。まあ、着想は三人仲良く寝る親子からだが。ミケも我慢しなくて良いからな。母親がいなくて寂しくて父親がぶっきらぼうで辛かったら泣け泣け。素直な良い子は、なんでも素直に流してしまう。利点だが、引っかかることには真面目取り組んでしまう」

さて、ミケよ。

コクヨウは魔王になると思うか?

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