第33話 仙女の来訪
トキ様。
すごい。
仙女パワーで、全ての人々が贈り物を持ってくる。
何かあっても神獣様の加護で毒にやられたり、お腹を壊したりはしないらしい。
「それで、ミケさんのパン屋さんと」
声を静かにして
「うわさのコーラル様はどちらに?」
コーラルに会うに気なのか?戦闘になったら、いくら隻腕でも勇者コーラルだ。
トキ様なんて捻りあげられても骨折させられてもおかしくない。
「ちなみに、お父様からはお母様のこと、私が聞き出して差し上げます!頑固な人は墓場まで秘密を本当に持って行ってしまいますからね!」
「と、トキ様っ」
それは困ります。
今後の関係とかありますし。
クロキ様もトキ様も神獣様の千里眼、予知までいろいろと聞いて気合いを入れているらしい。
使用人の、ボディガードが数人。
メアリーに追い出されるかのように参加したダン。
気合いバリバリのトキ様。
そして、久しぶりに村へ帰ってきた私。
「どうしましょう、一番奥から攻めて、徐々に城へ帰るか。手前から日が暮れるまで村と町を巡るか。それが問題です」
トキ様、すべて巡る気でいる?!
まあお城の奥様の登場にまず村はお祭り騒ぎ、といってもこの二十年くらいの若い衆。良縁で結ばれたお兄さんお姉さんと、それに触発された両親や友人達。老人達はというとまだ頑固な人が多いが、孫の可愛さに心を変える人も幾人かいる。そんな人たちがトキ様に群がり、なにかしら贈りたい気になるのだろう。
なんだか御伽噺のようにトキ様に後進したりする。
村ではブルーベリーやイチゴなんかの果物等の贈り物が多かったが町に入ると花屋が華やかな花束を速攻でいそいそと作り全体を見てプレゼント。うちのパン屋よりもおしゃれでマフィンなんかを売っている店もトレーに鮮やかなカップケーキなんかを乗せてやってくる。それらをトキ様は心配になるほど満遍なくお礼を言って食べている。羨ましい、食べても太らないのかも。いいなあ、仙女さま。
可愛い子猫や子ヤギや子牛まで村に戻ってしっかり堪能し、いろんな家の番犬や馬を骨抜きにしてから、
さて!ミケさんのパン屋さんです!
勇ましい戦乙女のように宣言。
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