第21話彼女が風邪

今日は、珍しく由衣が遅れて家に来た。

(おは...よう)


(おはよう、大丈夫か)


(大丈夫、行きま、しょ)

その後、学校には間に合ったが、通学中の由衣は少しボーとしていて、体調が悪そうにみえだ。

(ギリギリやな)

友人の古賀に言われてしまった。

(うるせー間に合えば、良いの)

(余裕だな)

そんな話しをしながらも、やはり由衣の調子が心配だった。

アイツは、馬鹿が付くほど真面目だ、俺だったら、休むのに。

そして昼休み、クラスで弁当を食べようと、して居ると。

(おーい、小湊)

入口で担任が俺の名前を、呼んで居た。

(先生どうしました?)


(いや~悪いが、これ腰越の家に届けて、くれないか)

そう言って、担任はプリントを、渡して来た。

(やっぱり、由衣早退したんですね)


(そうなんだよ)

やっぱり調子は、良くなかったらしい、そりゃ朝の様子からして、早退は当然だ。

(分かりました)

(いや~すまんな)

担任は改めて、俺に謝ると職員室に戻って行った。

そして、放課後になり、俺は急いで準備をして、学校を後にした。

途中駅のコンビニで、見舞のプリンを買って電車に乗り込んだ。

自宅の最寄り駅に付いて、10分くらい歩くと由衣の家に付いた。

いざインタフォンを、押そうとすると、めちゃくちゃ緊張した、何度も来てるはずなのに、やはり友達と、彼女だと少し違うみたいだ。

しかし、緊張して居てもしょうがないと、思いインタフォンを押した。

(はーい)

インタフォンを押して、出て来たのは、由衣の母親だった。

(あらー真二君、久しぶり)


(お久しぶり、です)


(何時も由衣が、お世話になって)


(いえ、こちらこそ、何時もありがとうございます)

そろそろ、本題をと思い、鞄からプリントとプリンを出した。

(これを由衣さんに)


(ありがとう)


(そうだ、上がって行ってよ)


(そんな、悪いですよ)


(きっと、由衣も喜ぶから)


(それな、お邪魔します)

お言葉に甘えて、少しお邪魔する事にした。

母親に促されて、階段を登り2階の由衣の部屋の前に付いた。

(由衣、入るぞ)

部屋の中の由衣に、声を掛けて、部屋の扉を開けた。

(何だ、来たのね)


(伝染るわよ)


(伝染れば、学校休めるし、大歓迎)


(はあーあんたね)

由衣ため息を付いた。


(プリント、おばさんに渡して置いたから)


(ありがとう)


(後プリンも)

プリンと聞いた瞬間、由衣の顔が少し、笑った。

要件も済んだし、余り長居をしても、由衣の体調に触ると思い、帰る事にした。

(それじゃ、早く良くなれよ)


(ありがとう)

由衣は鼻声で、お礼を言った、その後おばさんに挨拶をして、由衣の家を出る頃には、辺りが少し暗く、なり始めていたので、急いで帰った。

























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