第20話彼女の誕生日

今日は由衣の誕生日、しかし朝からほとんど、口を聞いてくれない、当たり前だ最近の行ないが最悪過ぎる。

(由衣誕生日、おめでとう)


(あら、それ何人に言ってるの)


(嫌その)

由衣は俺の話を聞いてから、前を向いて、駅の方に先に行ってしまった。


(はぁ)


(どうしただよ)

クラスに入って、自分の席でため息を付いていた俺に、数少ない友人の古賀唯斗が話しかけて来た。

(由衣に、嫌われた)


(ハハハ)

話を聞いた古賀が、笑って来た。

(何だよ)


(いや、すまん)


(こっちは、凄く困っての)


(いやーすまん)


(タダ)


(ぐっふ)

古賀は、良い友人だ、しかし今日は目の前古賀を、助走を付けて思いきり、殴りたい。

(あっすまん、席に 戻るは)

(まぁ、ちゃんと謝るんだな)

古賀は、最後の最後でアドバイスをして、自分の席に、戻っていた。

(はあー)

しかし、どうしたら良いのか、全く考えられない、思いつかない、考えられない、そんな自分が、嫌になる。

そんなふうに、自分と自問自答をして居ると、気づけば放課後だ、今日一日何をしていたのか、どう過ごしたか余り覚えて無い。

(はあー帰るか)

そお自分に言い聞かせる様に、独り言を言って、席を立つと。

(由衣)

教室の入口に、由衣が居た。

(遅い、いつまで持たせるの)


(嫌、すいません)


(それだけ、かしら)

今しか無いと由衣が、サインを出して来た。

(由衣、本当に色々すいません、でした)

これまで生きて来て、こんなに頭を下げた事が無いくらい、頭を下げた。

(それだけ、こんなに傷付けられたから、少しは褒めて、くれるわよね)

ドSの由衣は、さ茶振りをして来て、困る俺を見ようとして居るようだが、残念ながら無茶振りでも、何でもない、むしろこれぐらいで済んで、ご褒美かもしれない。

(本当に、褒めて良いんだな)


(やれる物なら)


(フーう)

少し息を吸って、喋り始めた。

(まず、可愛よな)


(ふ~ん、それだけ)


(いやいや、まだ有りますとも)


(次にな、芯が強い)


(料理が旨い)


(何時も俺の味方だし)


(本音を言えば、由衣の事、好きなれないし好きなっちゃいけないと、思うくらい凄い彼女だし)

(それから、それから)


(もお良い、良いいわよ)

まだ言い足りないが、顔赤くした由衣が止めて来た。

(えーまだ言い足りない)


(早く、帰るわよ)


(じゃあ、許してくれるの)


(はいはい、許しますよ)


(ありがとうございます)


(由衣さん)


(何よ)


(これからもよろしく)


(はいはい)

許してくれたはずの由衣は、朝とおんなじ様に先を歩く、だがその後ろ姿がは、どこか嬉しそうだ。



























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